地図投影の一種。投射図法の一種で、視点を地球の中心、投影面は地表に接する平面とする。接点から離れるにしたがい投影のひずみは著しく大きくなり半球までも表せない。しかし球面上の最短経路となる大円(大圏)が平面上の直線に投影される唯一の図法で大圏図法ともいう。紀元前5世紀にギリシアのタレスが斜軸心射図法をホロスコープと名づけて日時計の目盛盤に用いた。18世紀に地図に用いるようになってからノーモニック図法または心射図法といわれるようになった。1803年にドイツのライヒャルトChristian Gottlieb Theophil Reichard(1758―1837)が大圏図法としての属性を利用し、船舶の最短航路探索用の海図にこの図法を用い、メルカトル図法海図の属性と補完しあう用途を開発した。
[金澤 敬]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…(1)の方位図法は地球上の一点に接する平面に経緯線を投影する図法であり,(2)の円錐図法は地球面に接するか,またはわずかに食い込む形で円錐をかぶせ,経緯線を投影して,これを切り開いて平面とする図法であり,(3)の円筒図法は同じく地球面に接するか,またはわずかに食い込む形で円筒をかぶせ,経緯線を投影してこれを切り開いて平面とする図法である。これらの図法は,さらに投影の視点によって,地球の中心に視点をおく心射図法,反対側の地球上の一点に視点をおく平射図法,無限遠に視点をおく正射図法などと区分される。また,面積,角度,距離のいずれかの条件を正しく表示するため,古来,数々の投影法がくふうされており,それぞれ正積図法,正角図法,正距図法などと呼ばれている。…
※「心射図法」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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