夜嵐お絹(読み)よあらしおきぬ

改訂新版 世界大百科事典 「夜嵐お絹」の意味・わかりやすい解説

夜嵐お絹 (よあらしおきぬ)

講談演目。1872年(明治5)2月20日,小塚原の刑場で8代目首斬朝右衛門により処刑される前に,〈夜嵐のさめて跡なし花の夢〉と辞世をよんだことから,〈夜嵐〉の異名をとった毒婦原田きぬの生涯を描いたもの。1844年(弘化1),番町のある旗本の御用人原田某が,妻の死後女中に生ませたのがきぬだと伝えられているが,異説も多い。猿若町の芝居茶屋から芸者に出て,小林金平なる金貸しの妾(めかけ)となるが,役者の嵐璃珏(りかく)(後,市川権十郎)と密通のうえ,主人金平を毒殺したため晒首(さらしくび)となった実録が,多くの講釈師によって読まれた。《妲己(だつき)のお百》《鬼神のお松》《高橋お伝》などとともに,いわゆる〈毒婦物(どくふもの)〉の代表作である。
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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「夜嵐お絹」の解説

夜嵐お絹 よあらし-おきぬ

講談の登場人物
金貸し業小林金平の妾となった元芸者で,役者嵐璃珏(あらし-りかく)(のちの2代市川権十郎)と密通し,金平を毒殺する。明治5年(1872)2月20日29歳で処刑された原田キヌモデル。夜嵐の異名は,お絹が処刑の際によんだとされる辞世「夜嵐のさめて跡なし花の夢」からきている。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

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