大内塗(読み)オオウチヌリ

デジタル大辞泉 「大内塗」の意味・読み・例文・類語

おおうち‐ぬり〔おほうち‐〕【大内塗】

山口県に産する漆器わんおよび盆が主で、ベンガラ塗り黄緑彩漆いろうるし秋草を描き、菱形ひしがたの切りはくをはったもの。大内義隆奨励によって始められたといわれる。

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精選版 日本国語大辞典 「大内塗」の意味・読み・例文・類語

おおうち‐ぬりおほうち‥【大内塗】

  1. 〘 名詞 〙 山口市で産する漆器。潤朱塗の上に黄、緑色の漆で草花、雲型文を描き、菱形(ひしがた)切箔(きりはく)をはったもの。室町時代、城主大内義隆が奨励したのに始まると伝えられる。一時中断していたが、文久年間(一八六一‐六四)、岩本梅之進が再興

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事典 日本の地域ブランド・名産品 「大内塗」の解説

大内塗[漆工]
おおうちぬり

中国地方、山口県の地域ブランド。
山口市で製作されている。大内塗は室町時代に始まり、朝鮮や明時代の中国との交易上、重要な輸出品の一つであった。昭和以降は山口の特産品として親しまれている。天然木に大内朱と呼ばれる渋い朱色の漆を重ね塗り、表面に秋の草花を手描きして、大内氏家紋大内菱金箔であしらった模様が特徴。最も人気のあるのは全国的にも珍しい漆塗りの大内人形。夫婦円満の象徴ともいわれる男女一対の人形で、雛人形として初節句贈り物にも喜ばれている。1989(平成元)年4月、通商産業大臣(現・経済産業大臣)によって国の伝統的工芸品に指定。

出典 日外アソシエーツ「事典 日本の地域ブランド・名産品」事典 日本の地域ブランド・名産品について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「大内塗」の意味・わかりやすい解説

大内塗
おおうちぬり

山口市で産する漆器。椀や盆の下地をうるみ塗 (褐色の塗) とし,黄,緑の彩漆 (いろうるし) で草花文様を描き,余白に菱形 (大内氏の紋形) の切箔を張ったもの。室町時代に大内義隆の奨励によると伝えられるが,一時中断,江戸時代末期に岩本梅之進が復興し,現在も生産されている。

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世界大百科事典(旧版)内の大内塗の言及

【椀】より

…変(かわり)塗の一種),吉野塗(奈良県吉野地方の産。吉野絵,吉野彫,吉野根来,吉野春慶など),黒江塗(和歌山県海南市の産),大内塗(山口県山口市の産。大内椀は毛利家に伝えられ,漆絵に金箔を施す),日野椀(滋賀県蒲生郡の産)などが良質な椀として知られている。…

※「大内塗」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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