日本の勲章の一つで、1888年(明治21)の勅令で制定された。1875年に制定された旭日章(きょくじつしょう)、翌1876年の大勲位菊花大綬章(だいくんいきっかだいじゅしょう)に続き、最高位の勲章として制定されたもので、以後今日に至るまで格も名称も変わっていない。頸飾とは頸飾(くびかざ)りを意味し、日本の勲章のなかで頸飾があるのはこれのみである。またすべてが金でつくられているのもこの勲章だけである。頸飾の連環に下がる正章の意匠(いしょう)は大勲位菊花大綬章とほぼ同じで、日章を中心に四方に延びる旭光(きょっこう)を四つの菊葉と菊花が囲んでいる。すでに大勲位菊花大綬章を授与された人のなかでさらに卓越した功績を成した人に授与されることから、発足以来受章者は少ない。天皇や皇族、また外国人への儀礼叙勲をのぞくと、山県有朋(やまがたありとも)、伊藤博文、大隈重信(おおくましげのぶ)、大山巌(いわお)、東郷平八郎ら13名しかおらず、うち生前に授与された人は6名である。戦後では、吉田茂と佐藤栄作の2名が没後に受章している。外国人への儀礼叙勲では、来日した皇族や国賓のうち、戦後は主として立憲君主制国の皇帝、国王、大公、首長らが対象となっている。◇英訳名はCollar of the Supreme Order of the Chrysanthemum。