大巴山脈(読み)だいはさんみゃく(英語表記)Dà bā shān mài

改訂新版 世界大百科事典 「大巴山脈」の意味・わかりやすい解説

大巴山脈 (だいはさんみゃく)
Dà bā shān mài

中国の甘粛陝西四川湖北の省境を北西から南東にのびる山脈西部は米倉山,東部は狭義の大巴山すなわち神農架と称する。標高2000~3000m。主峰は湖北の大神農架で3053m。ドリーネ鍾乳洞などのカルスト地形も発達,植生垂直分布が明瞭で,重要な森林区の一つである。古来,北側の陝西省漢中盆地と南側の四川盆地をめぐる抗争地点となり,両者をわける交通の要所である。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「大巴山脈」の意味・わかりやすい解説

大巴山脈
だいはさんみゃく / ターパーシャン

中国、四川(しせん)省北東部と陝西(せんせい)省南部の省境から湖北省中部へ走る山脈。西部は米倉(べいそう)山脈ともいう。標高2000~2500メートル。主峰は湖北省の大神農架(だいしんのうか)山(3053メートル)。甘粛(かんしゅく)省南東部に発した嘉陵江(かりょうこう)が山脈西端の縦谷を南流したりするが、ほぼ、北の漢中、南の四川両盆地の分水嶺(ぶんすいれい)をなし、その縦谷は古くから南北交通に利用された。山脈南東の巫山(ふざん)山脈を揚子江(ようすこう)が三峡を形成しつつ東流している。

[小野菊雄]

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百科事典マイペディア 「大巴山脈」の意味・わかりやすい解説

大巴山脈【だいはさんみゃく】

中国の四川,甘粛,陝西,湖北4省の境をなす山地の総称。四川,漢中両盆地の境界をなしている。西部は米倉山,東部は狭義の大巴山(神農架)と呼ばれる。平均標高2000〜2500m。氷河遺跡やカルスト地形があり,植生の垂直分布も明瞭。最高峰は湖北省神農架林区の大神農架(3053m)。
→関連項目四川盆地

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