大泉黒石(読み)オオイズミ コクセキ

20世紀日本人名事典 「大泉黒石」の解説

大泉 黒石
オオイズミ コクセキ

大正・昭和期の小説家,ロシア文学



生年
明治27(1894)年7月27日

没年
昭和32(1957)年10月26日

出生地
長崎県長崎市

本名
大泉 清

学歴〔年〕
一高中退

経歴
父がロシア人だったので、少年時代をロシア、ヨーロッパですごす。大正8年「俺の自叙伝」を発表して注目される。創作、ロシア文学の面で活躍したが、文壇からは排除された。「黒石怪奇物語集」などの怪奇小説、「人間開業」などのユーモア小説、「峡谷と温泉」などの紀行のほか、ロシア文学のものとして「露西亜文学史」やゴーリキー翻訳どん底」などの著書がある。63年から全集刊行

出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「大泉黒石」の意味・わかりやすい解説

大泉黒石
おおいずみこくせき
(1894―1957)

小説家。本名清。長崎に生まれる。父はロシア人で、幼少のころはロシアやヨーロッパで生活し、帰国後、第三高等学校、第一高等学校などで学ぶ。『中央公論』に連載した『俺(おれ)の自叙伝』(1919~21)で注目された。ゴーリキーの『どん底』の翻訳(1921)、『露西亜(ロシア)文学史』(1922)、『老子』(1923)などのほか、『黄(ウオン)夫人の手』(1924)、『黒石怪奇物語集』(1925)、『眼(め)を捜して歩く男』(1928)などの怪奇小説、『人間開業』(1926)、『人間廃業』(1926)などのユーモア小説がある。ダダイスト辻潤(つじじゅん)らと交友があり、虚無的な思想がみられる。

[海老井英次]

『玉川しんめい著『日本ルネッサンスの群像』(1977・白川書院)』

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「大泉黒石」の解説

大泉黒石 おおいずみ-こくせき

1894-1957 大正-昭和時代の小説家。
明治27年7月27日生まれ。大泉滉(あきら)の父。ロシア人を父にもち,少年時代をロシア,ヨーロッパですごす。三高,一高中退。大正8-10年「中央公論」連載の「俺(おれ)の自叙伝」や,小説「老子」で知られる。怪奇小説やユーモア小説なども手がけた。昭和32年10月26日死去。63歳。長崎県出身。本名は清。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

367日誕生日大事典 「大泉黒石」の解説

大泉 黒石 (おおいずみ こくせき)

生年月日:1894年7月27日
大正時代;昭和時代の小説家;ロシア文学者
1957年没

出典 日外アソシエーツ「367日誕生日大事典」367日誕生日大事典について 情報

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