大野林火(読み)オオノリンカ

デジタル大辞泉 「大野林火」の意味・読み・例文・類語

おおの‐りんか〔おほのリンクワ〕【大野林火】

[1904~1982]俳人神奈川の生まれ。本名まさし臼田亜浪うすだあろうに学び、俳誌石楠しゃくなげ」に作品発表。第二次大戦後、俳誌「」を創刊し、主宰句集に「冬青集」「早桃」、評論に「高浜虚子」など。

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20世紀日本人名事典 「大野林火」の解説

大野 林火
オオノ リンカ

大正・昭和期の俳人 俳人協会会長。



生年
明治37(1904)年3月25日

没年
昭和57(1982)年8月21日

出生地
神奈川県横浜市日ノ出町

本名
大野 正(オオノ マサシ)

学歴〔年〕
東京帝国大学経済学部商業科〔昭和2年〕卒

主な受賞名〔年〕
横浜市文化賞〔昭和39年〕,蛇笏賞(第3回)〔昭和44年〕「潺潺集」,神奈川文化賞〔昭和48年〕

経歴
昭和2年日本工機工業に入社したが、5年神奈川県立商工実習学校に移り、23年まで教師を務めた。俳句は横浜一中時代より始め、大正10年四高時代に臼田亜浪の門に入り、「石楠」に俳句、評論を発表し、早くから注目をあびる。昭和14年第一句集「海門」を、16年「現代の秀句」を刊行し、三十代にして作家としての声価を確立した。戦後は俳句に専念し、21年「浜」を創刊して主宰する。また、20年代「俳句研究」「俳句」など総合誌の編集長をつとめ、大きな業績を残す。44年「潺潺集」で蛇笏賞を受賞した他、横浜文化賞、神奈川文化賞などを受賞。また53年には俳人協会会長に就任した。他の句集に「冬青集」「早桃」「冬雁」「白幡南町」「雪華」「方円集」、「大野林火全句集」などがあり、「高浜虚子」「戦後秀句」「近代俳句の鑑賞批評」など、秀句鑑賞や研究書も多くある。平成5年「大野林火全集」(全8巻 梅里書房)が刊行される。

出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「大野林火」の意味・わかりやすい解説

大野林火
おおのりんか
(1904―1982)

俳人。横浜市生まれ。本名正(まさし)。東京帝国大学経済学部卒業。1921年(大正10)臼田亜浪(うすだあろう)の『石楠(しゃくなげ)』に参加、作句、評論に活躍。46年(昭和21)『濱(はま)』を創刊、主宰。初期と後期では作風に多少の違いはみられるが、繊細な感覚による豊かな叙情性は一貫した。神奈川文化賞、横浜文化賞、蛇笏(だこつ)賞ほかを受賞。俳人協会会長を務めるなど俳壇への貢献も高く、句集に『海門』(1939)、『潺潺(せんせん)集』(1967)、『林火一千句』(1980)、評論集『近代俳句の鑑賞と批評』(1967)などがある。

[鷹羽狩行]

 ねむりても旅の花火の胸にひらく

『『大野林火集』(1978・俳人協会)』

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「大野林火」の解説

大野林火 おおの-りんか

1904-1982 大正-昭和時代の俳人。
明治37年3月25日生まれ。臼田亜浪(うすだ-あろう)に師事し,「石楠(しゃくなげ)」に俳句,評論を発表。昭和21年「浜」を創刊し主宰,野沢節子らをそだてた。「俳句」などの編集にあたった。53年俳人協会会長。昭和57年8月21日死去。78歳。神奈川県出身。東京帝大卒。本名は正(まさし)。著作に「高浜虚子」,句集に「海門」など。
【格言など】萩明り師のふところにゐるごとく(辞世)

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百科事典マイペディア 「大野林火」の意味・わかりやすい解説

大野林火【おおのりんか】

俳人。神奈川県生れ。本名,正(まさし)。東大経済学部卒。臼田亜浪門下。《石楠(しゃくなげ)》に作品,評論を発表,1939年第1句集《海門》で高く評価された。戦後の1946年,句誌《浜》を創刊主宰。句集には《冬雁(ふゆかり)》《白幡南町》《潺潺(せんせん)集》などがあり,1969年蛇笏賞を受賞。評論には《現代の秀句》《高浜虚子》《戦後秀句》など。

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367日誕生日大事典 「大野林火」の解説

大野 林火 (おおの りんか)

生年月日:1904年3月25日
大正時代;昭和時代の俳人。俳人協会会長
1982年没

出典 日外アソシエーツ「367日誕生日大事典」367日誕生日大事典について 情報

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