天測(読み)テンソク

デジタル大辞泉 「天測」の意味・読み・例文・類語

てん‐そく【天測】

経度緯度を知るために、六分儀ろくぶんぎなどを用いて天体方位高度を測定すること。「天測航法」「天測位置

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精選版 日本国語大辞典 「天測」の意味・読み・例文・類語

てん‐そく【天測】

  1. 〘 名詞 〙 天体観測の略。元来は、航海者海上での自船の位置を知るため、六分儀などによって天体の方位や高度を測定することをいう。
    1. [初出の実例]「彼はわたしのゐるのに気がつかぬらしく天測(テンソク)を始めた」(出典海底旅行(1929)〈木村信児訳〉一)

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改訂新版 世界大百科事典 「天測」の意味・わかりやすい解説

天測 (てんそく)

太陽,月,惑星恒星などを使って観測点の経度,緯度を求めること。航空機や船舶陸地を離れて目標物がなくなったときに,その位置を知るために六分儀などを使って天体の高度を測定し,観測時刻とその天体の予報位置とから計算によって位置を求め,進路を定めることを天文航法といい,このために天文航法用の特別な天測計算表が出版されている。しかしこのような観測は天候によっては不可能となり,また熟練を必要とするため,しだいに電波航法に代わっていっている。これとは別に地上での経度,緯度を,位置のよくわかった恒星を観測することによって精密に測定することもある。このために経緯儀,子午儀,アストロラーブなどが使用される。観測方法はそれぞれの器械によって異なっているが,経緯儀では比較的精度の低い測定に使用されることが多く,角度の1″程度の観測まで可能であり,それより高い精度が必要とされるときは子午儀やアストロラーブが使用される。また地上での真北を決めるときには磁石では精度も悪く,そのうえ磁気の北極と地球の北極がずれていることによる偏角があるため,北極星の方向角を経緯儀によって観測して求める。
航法
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