天皇の杜古墳(読み)てんのうのもりこふん

日本歴史地名大系 「天皇の杜古墳」の解説

天皇の杜古墳
てんのうのもりこふん

[現在地名]西京区御陵塚ノ越町

国道九号線のすぐ南側の水田中にある。西方山地が東へのびる山裾にあたり、古墳のある地点は、東や南にひろがる水田面よりも一段高い。中世には文徳天皇陵と考えられていた。

古墳は全長八六メートル、後円部径五三メートル、同高さ八・五メートル、前方部の幅三五メートルの規模をもつ前方後円墳で、周囲には幅二〇―三〇メートルの濠をめぐらしている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

国指定史跡ガイド 「天皇の杜古墳」の解説

てんのうのもりこふん【天皇の杜古墳】


京都府京都市西京区御陵塚ノ越町にある前方後円墳。京都盆地の西側を流れる桂川右岸に位置する。古墳時代前期(4世紀代)に西山丘陵地の東端に南面して築かれた。墳丘の規模は全長86m、後円部の直径53m、高さ8.5m、前方部の幅35m、高さ5.5m。古墳の周囲は水田になっており、その畦畔はあたかも盾形(たてがた)周濠痕跡を示すかのように墳丘を取り囲んでおり、当時桂川右岸を支配していた豪族墳墓と推定される。遺存状態もよく、山城盆地の古墳の様相を研究するうえで貴重なことから、1922年(大正11)に国の史跡に指定された。この古墳は中世に文徳(もんとく)天皇の御陵(みささぎ)と考えられたため、「天皇の杜」という名称になり、御陵という地名の由来にもなったと伝えられる。阪急電鉄京都本線ほか桂駅から徒歩約20分。

出典 講談社国指定史跡ガイドについて 情報

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