天諸羽神社(読み)あめのもろはじんじや

日本歴史地名大系 「天諸羽神社」の解説

天諸羽神社
あめのもろはじんじや

[現在地名]峰町吉田

古くは熊野権現などと称した。旧村社。祭神は天児屋根命・太玉命・天高命。神宝に弥生時代の広形銅矛所蔵。「延喜式」神名帳に記される上県郡一六座の一つ「天諸羽命神社」に比定する説がある。文明六年(一四七四)みね朽木くちきの阿比留平四郎の給所に「ふなこしこんけん社役」九郎次郎の親が買得した田畠があり、従来どおり公事を納め、下地をかかえることが安堵されている(同年一一月一三日「宗貞国書下」三根郷給人等判物写)。永正一一年(一五一四)一一月一四日の給人せい阿給地坪付(同判物写)に「こんけんくるすこは」「こんけんのよりち所」の居屋敷、「かさゞきのくちのこは」「かうたのさつ下ちやゑん」などがあげられ、権現社に関連する者の給地であろう。


天諸羽神社
あめのもろはじんじや

[現在地名]上県町佐護東里 恵古

恵古えこ鎮座。旧郷社。「延喜式」神名帳にみえる上県郡一六座の一つ「天諸羽命神社」は当社に比定されている。「三代実録」貞観一二年(八七〇)三月五日条に対馬の「天諸羽神」がみえ、従五位上となっている。中世および近世にこの社号は確認できず、貞享三年(一六八六)の神社誌にみえる権現がこれに相当するという。神体は高さ一尺七寸の石で、社殿は五尺角、「建立ハ上ヨリ被仰付」とあり、祭礼は一二月九日から一月四日まで、天道観音の住持従前より勤めるという。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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