太平寰宇記(読み)たいへいかんうき(その他表記)Tài píng huán yǔ jì

精選版 日本国語大辞典 「太平寰宇記」の意味・読み・例文・類語

たいへいかんうき‥クヮンウキ【太平寰宇記】

  1. 中国地理書。二〇〇巻、目録二巻。宋の楽史撰。宋の太宗が閩越・北漢を平定した始末を考察し、宋代中国の領域一一道と、周囲の諸外国の沿革・地理・文化記述。六朝以来の史料を利用し、詩や案文を引用・添付し、批判考証を加え、後世の地理書の規範となる。

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改訂新版 世界大百科事典 「太平寰宇記」の意味・わかりやすい解説

太平寰宇記 (たいへいかんうき)
Tài píng huán yǔ jì

中国の宋代の地理書。楽史(がくし)(930-1007)の著。本文200巻と目録2巻から成る。中国では早くから8巻分が欠けていたが,日本残存の宋刊本によって,その中の5巻余を補うことができる。宋が天下を統一した979年(太平興国4)を基準として,中国内地のほか周辺の異民族地域の歴史地理を記述する。今日ではなくなった南北朝から唐代の地理書を多く引用し,人物略伝名所旧跡の詩を採録しているのが特徴である。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「太平寰宇記」の意味・わかりやすい解説

太平寰宇記
たいへいかんうき
Tai-ping huanyu-ji; T`ai-p`ing huan-yü-chi

中国,北宋楽史の撰した地理書。 200巻。目録2巻。宋の太宗 (在位 976~997) のとき,北漢を平定して初めて天下統一ができたので,その領域および四夷について述べたもの。各州,県の沿革,産物山川などが記述されている。なお,前代の地誌その他の記事が引用されている点でも重要である。

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