奈良山(読み)ナラヤマ

デジタル大辞泉 「奈良山」の意味・読み・例文・類語

なら‐やま【奈良山】

奈良市街地北部一帯の丘陵平城宮跡の北方を佐紀丘陵、その東を佐保丘陵とよび、奈良坂が通じる。

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精選版 日本国語大辞典 「奈良山」の意味・読み・例文・類語

なら‐やま【奈良山】

  1. 平城京北方の丘陵。
    1. [初出の実例]「大君の 命かしこみ 見れど飽かぬ (ならやま)越えて」(出典万葉集(8C後)一三・三二四〇)

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日本歴史地名大系 「奈良山」の解説

奈良山
ならやま

奈良市と木津町との間に東西に広がる低い丘陵をいう。大和山城の国境となった。西は生駒いこま山地の裾、東は笠置かさぎ山地の裾に続く。那羅なら山とも記す。

「万葉集」巻一の「額田王下近江国時作歌、井戸王即和歌」に、

<資料は省略されています>

とある。同じく巻一の大津おおつ京の荒廃を嘆いた柿本人麻呂の長歌にも「天にみつ大和を置きてあをによし奈良山を越え」と歌われる。「日本書紀」崇神天皇一〇年九月条は武埴安彦の謀反を記して「則ち精兵を率て、進みて那羅山に登りていくさだちす。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「奈良山」の意味・わかりやすい解説

奈良山
ならやま

奈良県北部、奈良盆地の北方、奈良市と京都府木津川(きづがわ)市との境界を東西に走る低山性丘陵。平城山、那羅山などとも書き、『万葉集』など古歌によく詠まれている。古墳も多い。現在、東半の奈良市街地北側の丘陵を佐保丘陵、西半の平城(へいじょう)京跡北側の丘陵を佐紀丘陵とよぶ。古代、京都との間に東の奈良坂越え、西の歌姫越えがあり、いまは国道24号、関西本線、近畿日本鉄道京都線などが通じる。奈良ドリームランド(1961年開園、2006年閉園)建設後は宅地開発が進み、都市基盤整備公団(現、都市再生機構)によって平城・相楽ニュータウンが造成された。

[菊地一郎]

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改訂新版 世界大百科事典 「奈良山」の意味・わかりやすい解説

奈良山 (ならやま)

平城山,寧楽山,楢山,那羅山とも記される。奈良盆地北部と京都府木津川市の旧木津町との境界を東西に走る標高100m前後の低丘陵。大和と山城を結ぶ古くからの交通路として,東部の奈良坂越,西部の歌姫越が利用された。この地域には多数の古墳があり,古くは和珥(爾)(わに)氏との関係が深く,皇族や有力貴族の陵墓も存在する。平城宮に供給する瓦を焼く瓦窯群が存在した。
奈良坂
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