奥手(読み)おくのて

精選版 日本国語大辞典 「奥手」の意味・読み・例文・類語

おく‐の‐て【奥手】

〘名〙
① (「おく」は、左のことで、左を尊んだことによる) 左手を尊重していう語。たいせつな手。
万葉(8C後)九・一七六六「我妹子(わぎもこ)はくしろにあらなむ左手のわが奥手(おくのて)に纏(ま)きて去(い)なましを」
技芸などの秘訣(ひけつ)とっておき手段方法。〔本福寺跡書(1560頃)〕
浄瑠璃栬狩剣本地(1714)三「親をだしに使ふは、物取奥の手

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デジタル大辞泉 「奥手」の意味・読み・例文・類語

おく‐て【奥手/晩生/晩稲】

晩稲)比較的遅く成熟する品種の稲。中手なかて早稲わせに対していう。 秋》「刈るほどに山風のたつ―かな/蛇笏
(奥手・晩生)一般に、遅く成熟すること。
㋐花や実のつくのが遅い草木の品種。
㋑成熟の遅い人。「あの子は―だ」
時節より遅く咲く草花
「咲く花もをそろ(=早熟)はいとはし―なる長き心になほしかずけり」〈・一五四八〉
[類語]早稲わせ早生そうせい中手晩生ばんせい

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