如何で・争で(読み)いかで

大辞林 第三版の解説

いかで【如何で・争で】

( 副 )
〔「いかにて」の転。平安時代から主に和文で使われ、文末に推量表現を使うことが多い〕
疑問の意を表す。どうして。 「 -、はた、かかりけむ/源氏 帚木
反語の意を表す。どうして…できようか。 「 -月を見ではあらむ/竹取」
強い願望を表す。なんとかして。ぜひ。 「 -人より先に聞かむと待たれて/枕草子 41

出典 三省堂大辞林 第三版について 情報

精選版 日本国語大辞典の解説

いか‐で【如何で・争で】

〘副〙 (「いかにて」の撥音便化した「いかんて」が変化した語。あとに、意志、推量、願望などの表現を伴って用いる) →いかでいかでいかでかいかでかはいかでも
① 理由、手段、方法などについて疑問、不定の意を表わす。どうして。何として。
※後撰(951‐953頃)恋一・五五五「いかでかく心ひとつをふたしへにうくもつらくもなして見すらん〈伊勢〉」
反語の意を表わす。何として。どうして(…しようか、いや…でない)。どんなわけがあって(…の方法があろうか、ない)。
※竹取(9C末‐10C初)「翁、月な見給ひそ〈略〉といへば、いかで月をみではあらんとて」
※源氏(1001‐14頃)桐壺「雲の上も涙にくるる秋の月いかですむらん浅茅生(あさぢふ)の宿」
③ 切なる願望のため、あれこれと方法を考える気持を表わす。何とかして。せめて。どうにかして。どうか。
※竹取(9C末‐10C初)「いかで此のかぐや姫を得てしかな」
※土左(935頃)承平五年一月一一日「いかでとく京へもがな」
[語誌]理由や原因を問う形式として「なに(か)、など(か)、なぞ」などがあり、上代には「いかに」系が様子・方法、「なに」系が理由・原因という区分けが比較的はっきりしていたが、平安期には「いかで」の理由・原因を問う用法が発達し、「なに」系の用法を侵食していった。なお平安中期以降になると反語のときには多くの場合「いかでか」の形をとるようになる。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

関連語をあわせて調べる

今日のキーワード

統合型リゾート(IR)

Integrated Resortの略で、カジノや劇場、ホテルなどが一体となった施設。国会の超党派議員が提出したカジノ解禁法案はIRの整備を後押しする基本法案で、2014年に趣旨説明と質疑が行われたも...

続きを読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android