精選版 日本国語大辞典 「如何・奈何」の意味・読み・例文・類語
いか‐が【如何・奈何】
① (心の中で疑い危ぶむ意を表わす) どう。どのように。どうして。どんなに。
※伊勢物語(10C前)二「うち物語らひて、帰り来て、いかが思ひけん、〈略〉雨そほふるに遣りける」
② (反語の意を表わす) どのようにまあ…か。どうしてまあ…か。(そんなはずはない、できないの意となる)
※蜻蛉(974頃)中「さらんのちに物したらんは、いかが人笑へならん」
[2] 〘形動〙
① どのような。どうして。
② (あとに「なり」「で」などの指定辞を伴って用いることが多い) どうかと思われるさま。考えものであること。→いかがしい。
※十六夜日記(1279‐82頃)「さのみ心弱くてもいかがとて」
[語誌](1)「いかにか」から「いかが」という変化は、「に」の撥音化とそれに並行する「か」の濁音化、すなわち「イカンガ」を媒介にして成立したと考えられる。
(2)一〇世紀初頭の仮名資料に「いかか」が現われ始めるが、この時期はまだn撥音を無表記としており、例えば「土左‐承平五年二月四日」の「しし(こ)」が「死にし(子)」であり、「シンジ(コ)」と発音されていたと推測されるように、同じく「そもそもいかかよむたる」〔土左‐承平五年一月七日〕の「いかか」も「イカンガ」と発音されていたかもしれない。
(3)意味はもとは上代の「いかにか」「いかに」とほぼ同じであるが、平安期以降ほぼ状態や様子に限定されながら、鎌倉期には「その様子が望ましくない、困ったものだ」という意味を派生する(中世後半から近世になると「いかがし」「いかがはし」を派生する)。これに対して、「いかに」は状態・様子以外に理由・原因を問う用法が発達する。
(2)一〇世紀初頭の仮名資料に「いかか」が現われ始めるが、この時期はまだn撥音を無表記としており、例えば「土左‐承平五年二月四日」の「しし(こ)」が「死にし(子)」であり、「シンジ(コ)」と発音されていたと推測されるように、同じく「そもそもいかかよむたる」〔土左‐承平五年一月七日〕の「いかか」も「イカンガ」と発音されていたかもしれない。
(3)意味はもとは上代の「いかにか」「いかに」とほぼ同じであるが、平安期以降ほぼ状態や様子に限定されながら、鎌倉期には「その様子が望ましくない、困ったものだ」という意味を派生する(中世後半から近世になると「いかがし」「いかがはし」を派生する)。これに対して、「いかに」は状態・様子以外に理由・原因を問う用法が発達する。
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報