姉川城跡(読み)あねがわじようあと

日本歴史地名大系 「姉川城跡」の解説

姉川城跡
あねがわじようあと

[現在地名]神埼町大字姉川

犬童いんどう川のやや東方、クリークが天然の要害となり、南入口だけを残して周囲はみな堀に囲まれている。面積三〇アール、南北一一八メートル、東西は南で九〇メートル、北で五三メートル。

正平一五年(一三六〇)頃菊池武安が築城し守備したものと思われる。その後姉川友安やその子孫が城主となっている。姉川氏は「佐嘉聞書」によれば菊池氏の後裔という。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

国指定史跡ガイド 「姉川城跡」の解説

あねがわじょうあと【姉川城跡】


佐賀県神埼市神埼町姉川にある中世の城館跡。佐賀平野の東部を流れる中地江(なかちえ)川左岸の、標高約3mの沖積平野の水田地帯に位置し、クリークと呼ばれる水堀を網の目状にめぐらせた環濠集落のような独特の城郭である。1360年(正平15・延文5)ごろ菊池氏によって築城され、その後、支族の姉川氏の居城となった。戦国時代には龍造寺氏に服属し、豊臣秀吉の九州制圧後、廃城になったとされる。南北約800m、東西約550mの規模で、クリークによって多くの島を造り、それらをつないで城域としているが、主郭であり「館(たち)」という地名を残す島には、舟入り場や土塁跡がみられ、掘立柱建物や橋、井戸などの遺構が発掘された。14世紀から16世紀後半にかけて、館が拡大して城に発展する様子がうかがえ、全国的にも類例がない城館跡として、2010年(平成22)、国の史跡に指定された。JR長崎本線神埼駅から車で約10分。

出典 講談社国指定史跡ガイドについて 情報

今日のキーワード

脂質異常症治療薬

血液中の脂質(トリグリセリド、コレステロールなど)濃度が基準値の範囲内にない状態(脂質異常症)に対し用いられる薬剤。スタチン(HMG-CoA還元酵素阻害薬)、PCSK9阻害薬、MTP阻害薬、レジン(陰...

脂質異常症治療薬の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android