婚活(読み)コンカツ

デジタル大辞泉 「婚活」の意味・読み・例文・類語

こん‐かつ〔‐クワツ〕【婚活】

《「結婚活動」の略》理想の相手を見つけ、幸せな結婚をするためにさまざまな活動をすること。
[補説]女性の社会進出、晩婚化ライフスタイル多様化などにより男女がすぐには結婚しなくなったことから、結婚のためには就活(就職活動)のように積極的な働きかけが必要になってきたとするもの。山田昌弘、白河桃子の共著からの流行語

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「婚活」の意味・わかりやすい解説

婚活
こんかつ

「結婚活動」の略。就職活動が「就活」といわれるのになぞらえた表現で、結婚も、就職と同じように積極的な活動が必要であるという意味を含んでいる。婚活ということばは、2007年(平成19)に晩婚化や非婚化の実態を取り上げた週刊誌『アエラ』の記事が話題になり、2008年に刊行された山田昌弘・白河桃子共著の『「婚活」時代』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)で広く知られるようになった。

 婚活にあたる行動としては、従来のお見合いや知人からの紹介に加え、結婚相談所や情報サービスの利用、合コン(合同コンパ)やお見合いパーティへの参加などがあげられる。晩婚化や少子化問題の対策として、自治体が婚活イベントを実施している地域もある。2010年には、佐賀県伊万里(いまり)市が婚活応援課を新設して話題となった。また、防衛省自衛隊広報誌MAMOR(マモル)』では、「マモルの婚活」という連載を始め、自衛官の結婚に関する話題を掲載している。婚活はさまざまな形式で社会に定着しつつあり、商店街で割安に飲食しながら合コンを楽しめる「街(まち)コン」、ボランティア活動への参加をきっかけに趣味などの共通する相手を見つける「ボラ婚」、ソーシャルネットワークなどを介して相性のよい異性を紹介してもらう「ソーシャル婚活」、親同士が積極的に結婚相手を探すことを意味する「代理婚活」など、次々に新たな活動と関連語を生み出している。また、2013年11月には、自民党内に「婚活・街コン推進議員連盟」が設立され、男女の出会いを応援する国の取り組みを支える活動を始めた。

 2010年の国勢調査によれば、25~29歳の未婚率は男性71.8%で女性60.3%、30~34歳の未婚率は男性47.3%で女性34.5%と、高い水準で推移する傾向にある。また、生涯未婚率も上昇がみられ、2010年では男性20.14%、女性10.61%となっており、婚活の必要性を意識させることとなった。

[編集部]

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知恵蔵 「婚活」の解説

婚活

合コンやお見合いパーティーへの参加、結婚相談所や情報サービス会社への登録など、結婚相手を見つけるための積極的な活動をいう。就職活動を表す「就活」をもじった造語で、2008年3月に刊行された『「婚活」時代』(山田昌弘・白河桃子)が火付け役となった。マスコミでは、アラフォー世代(40歳前後)の女性が対象にされることが多いが、20代男女の婚活も盛んになっている。30代前半の非婚率が男性約47%、女性約32%(05年国勢調査)という晩婚・非婚時代において、理想の結婚相手を見つけるためには、就職活動と同じく幅広い情報の入手や積極的なアピールが欠かせないという意識が、若い世代の「婚活」を後押ししているようだ。「婚活」ビジネスも盛況で、08年12月には、ヤフーがツヴァイ(会員数約4万人)など結婚仲介業3社との提携を発表。また、自治体が見合いパーティーなどを主催する「婚活」支援事業や、「花婿学校」(名古屋市)などNPO法人の支援活動も注目を浴びている。婚活実践書でもある『「婚活」時代』のメッセージは、「女性たちよ、狩りに出(い)でよ。男性たちよ、自分を磨け」というもの。1980年代から恋愛市場が自由化され、出会いの場や選択肢は拡大しているが、同時に「別れる自由」も「すぐには結婚しない自由」も得られるようになった。これにより、社内恋愛による結婚やお見合いによる結婚というパターンが成立しなくなったと分析。職場やサークルで結婚相手と出会える、誰かが世話をしてくれるという時代ではない。「待ち」から「狩り」へと姿勢を変えなければ、結婚には至らないという。

(大迫秀樹 フリー編集者 / 2009年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

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