人間同士の性格の類似や適応を判断する現象。実際の交際で、「気があう」「ウマがあう」などと相互の性格を見立て、ツレ、ドシなどとよばれる友人関係を結び、さらに「兄弟分」の契りを結ぶといった習わしは日本全国に認められた。しかし多くは、中国渡来の陰陽五行(いんようごぎょう)説や干支(えと)、九星などの説による性格判断がなされ、とくに縁談に用いられてきた。五行説によれば、人間だれしも生まれつき木火土金水(もっかどごんすい)のうちの一つの性をもち、男女が木と火、火と土、土と金、金と水、水と木の性ならば相生(そうしょう)で縁談は吉、水と火、火と金、金と木、木と土、土と水の性は相剋(そうこく)で凶とした。ただし吉凶の組合せ法は多種多様で、それを専門的に判断する易(えき)がおこった。干支では、「向かい干支」と称し、子(ね)と午(うま)、丑(うし)と未(ひつじ)、寅(とら)と申(さる)、卯(う)と酉(とり)、辰(たつ)と戌(いぬ)、巳(み)と亥(い)の年の男女は相性がよいといわれた。また男女4歳、10歳の開きは四目十目(よめとおめ)(四悪十悪)と嫌われた。そして「愛嬌(あいきょう)よりも相性」(奈良県宇陀(うだ)郡)の諺(ことわざ)のように、相性が縁談の成否を左右することもあった。このような縁談は一般に仲人(なこうど)を媒介とする見合い婚に基づくもので、恋愛婚の高まりとともに、相性を問うこともしだいに衰えてきている。
[竹田 旦]
互いに性質がよく合うこと。性格や容貌で判断するほかに,五行説や干支,九星などを生まれた年と組み合わせて相性を判断することが行われた。縁談においては後者による相性が問題とされることがあり,江戸時代ころからこの知識がひろまった。一般に木と火,火と土,土と金,金と水,水と木などの性は相生(そうじよう),水と火,火と金,金と木,木と土,土と火の性は相克(大凶)とされた。向かい干支(えと)として子と午,丑と未,卯と酉,申と寅,亥と巳歳も相生とされた。相性は親子の間でも問題になる。生まれた子が病弱,夜泣きなどの時,その原因を父あるいは母と子の性が合わないことによるとする地域があり,相性のよい仮親を求めることになる。この仮親との関係は一般に7歳までで終わるが一生続くこともある。
執筆者:植松 明石
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