子どもを読者対象とする新聞。商業新聞社などが子ども向きに発行する新聞と,子ども自身が中心となって発行する新聞とがある。前者は,子どもが興味をもつ情報を大人が選択して与えるので,一般商業新聞の〈子ども版〉的性格をもつ。日本では〈児童新聞〉の名称をもつものは大正年間に始まるが,当初は新聞のニュース性はなく,読物中心の雑誌に近いものであった。大正期のマスコミの発達,大衆文化の成立,教育方法の改善は,子どもの世界にも児童文学の開花,児童雑誌の増加などの影響を与えたが,ニュース性のある子ども新聞を維持できるほどの広がりをもたなかった。本格的発行は,1930年代に,全国紙系新聞社が将来の読者確保と子どもの啓蒙を目的として始めた。代表的なものとして,36年創刊の《毎日小学生新聞》がある。また,諸外国では社会主義諸国の例を除いて,子ども向きの商業新聞はほとんどない。
一方,子ども自身を中心とする〈子ども新聞〉は,学校新聞,学級新聞と一般に呼ばれるが,教師が発行する学級通信物,校報と区別される。これは子どもが取材,編集,発行し,その過程に教育活動としての意味がある。目的はニュースなど情報提供よりも,集団づくりの一環としての文化活動,自主活動に重点がある。諸外国でも小学校高学年段階になると,子どもたちが自主活動として新聞,文集を発行する例が多い。日本では,毎年,全国学校新聞コンクールがおこなわれている。
執筆者:碓井 岑夫
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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