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季節社 きせつしゃSociété des Saisons

世界大百科事典 第2版の解説

きせつしゃ【季節社 Société des Saisons】

フランスの秘密結社。1830年代,七月王政下のフランスでは,議会内外の共和主義者による自由主義的改革運動と,ストライキを中心とした労働大衆の運動や蜂起が頻発し,人間の権利協会のように,一部には両者の連帯の組織化も生ずる。これに対し政府は,抑圧の強化をもってのぞみ,反体制運動と組織の壊滅を行った。こうした状況を前提に組織されたのが季節社である。バブーフの平等主義とブオナローティの秘密結社運動の伝統にたつ革命家ブランキ,およびバルベスとマルタン・ベルナールMartin Bernard(1808‐83)の3者を中心に37年に結成され,その加盟者は600ないし1000名の間と見積もられている。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

季節社
きせつしゃ
Socit des Saisonsフランス語

1837年、フランスの過激共和主義者ブランキ、バルベス、マルタン・ベルナールらによって組織された革命秘密結社。前身はほぼ同じ指導者をもち、七月王政政府によって弾圧、解体された「家族社」Socit des Familles。このときの失敗の経験から、内通と内紛を防ぐため極端な秘密主義と規律主義をとった。末端組織は7人メンバーの「スメーヌ(週)」とよばれる組織で、「ディマンシュ(日曜)」とよばれる1人のリーダー以外は相互に顔を知らぬ仕組みになっている。四つの「週」が「モア(月)」を、三つの「月」が「セゾン(季節)」を、四つの「季節」が「アンネー(年)」を構成、「革命アジャン(首謀者)」とよばれる少数の指導者がピラミッドの頂点にたつ。各段階の組織は、「週」と同じく1人のリーダーしか会員に顔を知られず、すぐ下級のリーダーにしか直接指令を発することができない。密告があっても被害を最小限にとどめるためである。1839年5月12日、おりからの経済危機による大衆の不満と内閣の政治危機に乗じ、結社は権力奪取を目ざす武装蜂起(ほうき)を強行、一時パリ市庁舎の占拠に成功したが、たちまち軍隊に包囲され、翌日完全に鎮圧された。バルベス、ベルナールはその場で逮捕され、ブランキは逃走に成功したが、10月、地方で逮捕された。3人とも裁判で死刑を宣告されたが、ほどなく無期投獄に減刑され、組織は解体した。この暴動は、ブランキ主義の少数精鋭による一揆(いっき)主義の限界と欠陥を暴露したといえる。七月王政はこれを機として安定期に入った。[桂 圭男]
『Maurice Dommanget, Auguste Blanqui Des origines la Rvolution de 1848 (1969, Mouton, Paris) ▽オギュスト・ブランキ著、加藤晴康訳『革命論集 上』(1967・現代思潮社)』

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世界大百科事典内の季節社の言及

【バルベス】より

…民衆の解放のためには,まず革命結社による政治権力の奪取が必要と考え,共和主義運動に身を投じ,結社〈人間の権利協会〉に加入したが,34年に結社が弾圧されると〈家族社〉という秘密結社を組織,36年火薬製造の罪に問われ,ブランキらとともに逮捕された。釈放後37年末には再び〈季節社〉をブランキやマルタン・ベルナールと結成し,39年5月パリで蜂起したが失敗に終わり,投獄された。48年,二月革命により釈放されると,パリで〈革命クラブ〉を組織し,ブランキと対立したが,第12区の国民軍の軍団長に当選し,憲法制定議会の議員にも当選した。…

※「季節社」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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