孤独死(読み)こどくし

日本大百科全書(ニッポニカ)「孤独死」の解説

孤独死
こどくし

地域社会から孤立した人が、医師や家族など周囲のだれにも看取られずに死亡すること。(1)適切な治療や食事などを施されていれば助かった可能性がある、(2)死後自宅などで長期にわたって発見されない、(3)地方よりも地域社会との関係が希薄な都市部で多い、などの特徴をもつ。法的に明確な定義がないため、孤独死者数の具体的統計はない。核家族化の進展に伴い1970年代から孤独死ということばはあったが、2000年代以降、日本社会の高齢化、地域コミュニティの崩壊、長引く不況による離職・失業者増、高齢者に対する社会保障制度の不備などが重なり、増加しているとみられる。

 警察庁の2010年(平成22)調査では、犯罪性の有無が即断できず、警察官が現場に出向いて死亡状況などを調べた遺体数は前年比6%増の17万1025体で、これは孤独死の増加が主因とみられている。孤独死はかならずしもひとり暮らしの人だけに起こるものではなく、2011年には大阪府豊中市で生活に困窮した高齢の姉妹が餓死した例もある。また、1995年(平成7)の阪神・淡路大震災など、大規模災害後、仮設住宅に住んでいた人が孤独死する事例も多数起きている。内閣府の調査では、孤独死を身近に感じる高齢者は42%に上っており(2011年「高齢者の地域におけるライフスタイルに関する調査」)、対策として独居高齢者宅への訪問を頻繁にすることや、インターネットや電気・水道・ガスの使用状況を用いた在宅確認システムの導入などが進められている。

[編集部]

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デジタル大辞泉「孤独死」の解説

こどく‐し【孤独死】

[名](スル)だれにも気づかれずに一人きりで死ぬこと。独居者疾病などで助けを求めることなく急死し、しばらくしてから見つかる場合などにいう。

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