独り暮らしの高齢者などが誰にもみとられないまま亡くなるケース。身寄りがなく、遺体が長期間発見されないことも多い。官公庁の統計には明確な定義はなく、内閣府の高齢社会白書では「孤立死」としている。1995年の阪神大震災の後、仮設住宅で独居する高齢者の死亡が社会問題化した。政府は今年2月、新型コロナウイルス禍で深刻化する自殺や子どもの貧困といった問題に横断的に対応するとして、内閣官房に「孤独・孤立対策担当室」を新設した。
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出典 共同通信社 共同通信ニュース用語解説共同通信ニュース用語解説について 情報
地域社会から孤立した人が、医師や家族など周囲のだれにも看取られずに死亡すること。(1)適切な治療や食事などを施されていれば助かった可能性がある、(2)死後自宅などで長期にわたって発見されない、(3)地方よりも地域社会との関係が希薄な都市部で多い、などの特徴をもつ。法的に明確な定義がないため、孤独死者数の具体的統計はない。核家族化の進展に伴い1970年代から孤独死ということばはあったが、2000年代以降、日本社会の高齢化、地域コミュニティの崩壊、長引く不況による離職・失業者増、高齢者に対する社会保障制度の不備などが重なり、増加しているとみられる。
警察庁の2010年(平成22)調査では、犯罪性の有無が即断できず、警察官が現場に出向いて死亡状況などを調べた遺体数は前年比6%増の17万1025体で、これは孤独死の増加が主因とみられている。孤独死はかならずしもひとり暮らしの人だけに起こるものではなく、2011年には大阪府豊中市で生活に困窮した高齢の姉妹が餓死した例もある。また、1995年(平成7)の阪神・淡路大震災など、大規模災害後、仮設住宅に住んでいた人が孤独死する事例も多数起きている。内閣府の調査では、孤独死を身近に感じる高齢者は42%に上っており(2011年「高齢者の地域におけるライフスタイルに関する調査」)、対策として独居高齢者宅への訪問を頻繁にすることや、インターネットや電気・水道・ガスの使用状況を用いた在宅確認システムの導入などが進められている。
[編集部]
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