宋美齢(読み)そうびれい(英語表記)Song Mei-ling

  • 1897/1901―2003
  • そうびれい / ソンメイリン
  • ソンメイリン

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

[生]光緒27(1901).4.1. 上海
[没]2003.10.23. ニューヨーク
中国,台湾の婦人政治家。蒋介石夫人。宋慶齢。アメリカのウェスリアン女子大学卒業。 1927年蒋介石と結婚。 1930~32年国民政府立法委員。 1936年 12月西安事件介石を救出するため西安に乗り込んだ。 1938年婦女協会新生活運動理事長。第2次世界大戦後訪米してアメリカの対国府援助引き出しのために活躍した。 1946~50年国民党執行委員。 1950年国府の婦女反共抗俄 () 連合会会長。 1969年党第 10期中央評議委員。 1975年蒋の死後主としてアメリカに滞在

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

蒋介石(しょうかいせき/チヤンチエシー)夫人。宋子文(そうしぶん/ソンツーウェン)は兄、宋靄齢(そうあいれい/ソンアイリン)(孔祥煕(こうしょうき/コンシヤンシー)夫人)、宋慶齢(そうけいれい/ソンチンリン)(孫文(そんぶん/スンウェン)夫人)は姉。父、宋嘉樹(そうかじゅ/ソンチーアシュー)(耀如(ようじょ/ヤオルー)は号)は実業家であり、孫文の有力な後援者であった。上海(シャンハイ)に生まれ、両親とも熱烈なクリスチャンで、父はアメリカの神学校を卒業し、英語が巧みで、当時としては非常に開明的な家庭に育った。

 1908年宋慶齢とともに留学のため渡米した。17年ウェルズリー女子大学を卒業。帰国し、上海のYWCAでさまざまな社会活動に従事した。27年家族の反対を押し切って蒋介石と結婚した。蒋介石はこの結婚に際し妻を離縁した。結婚後、宋美齢は政治面で夫の片腕となり夫を助け、蒋介石は宋家の閨閥(けいばつ)や財力を利用し自らの権力基盤を強固なものにしていった。以後、宋美齢は、国民政府立法委員、国民党中央航空委員会秘書長、新文化運動委員会主席、婦女評議委員会主席、国民党中央執行委員会常務委員などを務めた。また、軍閥との戦争や第一次国共内戦では、前線の兵士を慰問し、傷病兵の看護の陣頭指揮にもあたった。36年西安(せいあん/シーアン)事件の際には、宋子文とともに西安に飛び周恩来(しゅうおんらい/チョウエンライ)と会見、交渉して、蒋介石釈放に成功。その辣腕(らつわん)ぶりを世に示した。日中戦争中、42年訪米し、巧みな英語を駆使し、アメリカ国会での演説を手始めにアメリカ各地を遊説。中国支援の世論を喚起し、アメリカ政府から多大の対中援助を引き出すことに成功した。第二次国共内戦の劣勢のなか、48年12月に訪米し、アメリカ政府にその内戦不介入政策の変更を迫ったが失敗。アメリカ滞在中の49年10月に共産党軍が中国大陸を制覇し、中華人民共和国が誕生した。

 1950年1月、宋美齢は台湾に逃れた蒋介石のもとに帰り、以後中華婦女反共抗ソ連合会主席、国民党中央評議委員会主席団主席などを務めるとともに、たびたび訪米し中華民国支持の世論を喚起して、アメリカ政府から多大の援助を引き出し、対米外交に貢献した。75年蒋介石が死去すると渡米し、以後台湾・アメリカ間を往来したが、91年9月以後はアメリカに定住した。なお、生年には1897年と1901年の2説がある。

[阿川修三]

『蒋宋美齢著、長沼弘毅訳『わが愛する中華民国』(1970・時事通信社)』『スターリング・シーグレーブ著、田畑光永訳『宋王朝――中国の富と権力を支配した一族の物語』上下(1986・サイマル出版会)』『伊藤純・伊藤真著『宋姉妹――中国を支配した華麗なる一族』(角川文庫)』

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精選版 日本国語大辞典の解説

〘名〙 中華民国の政治家。蒋介石夫人。宋慶齢、宋子文の妹。新生活運動を行ない、立法委員、婦女協会新生活運動理事長、国民党中央執行委員等を歴任。(一九〇一‐二〇〇三

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世界大百科事典内の宋美齢の言及

【蔣介石】より

…以後全国で反共テロを行い,10年に及ぶ国共内戦の発端をつくった。同年末,孫文夫人宋慶齢の妹宋美齢と結婚,胡漢民,汪精衛を抑えて孫文の〈後継者〉の地位を固めようとした。 28年南京国民政府成立後,国民政府軍事委員長,中央政治会議主席となり,軍事・政治の大権を握って独裁をすすめるが,29‐30年,これに反発する各地の軍閥の反蔣戦争が起こった。…

【宋慶齢】より

…上海生れ。宋靄齢(孔祥熙夫人)の妹,宋美齢(蔣介石夫人)・宋子文の姉。アメリカ留学後,1915年孫文と結婚。…

※「宋美齢」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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