日本大百科全書(ニッポニカ) 「定免法」の意味・わかりやすい解説
定免法
じょうめんほう
検見法(けみほう)と並び江戸時代を代表する徴租法の一つ。一村ごとに過去数か年の年貢の平均を算出し、これをもとに相応の年貢高を決定し、3か年・5か年・10か年などの一定期間、作柄の豊凶にかかわりなく徴収する方法。ただし大凶作の際は、村からの出願に基づき検見を行い、減免(破免)の措置がとられた。この徴租法は、江戸前期からみられたが、享保(きょうほう)の改革(1716~45)において幕府に採用され、全国の幕領で施行されるところとなり、年貢増徴に大きな役割を果たした。しかしこの徴租法は生産力の発展に即応できるものではなかったため、農民の手元に余剰を残す条件ともなっていった。
[大石 学]