日本大百科全書(ニッポニカ) 「宜賓」の意味・わかりやすい解説
宜賓
ぎひん / イーピン
中国、四川(しせん)省南部の地級市。2市轄区、8県を管轄する(2016年時点)。人口554万3000(2014)。金沙江(きんさこう)と岷江(びんこう)の合流点にあり、ここから下流を長江(ちょうこう)(揚子江(ようすこう))とよぶ。古くから四川盆地南西部の交通と軍事の要地で、雲南(うんなん)省の林産物や薬草、周辺地域の農産物の集散地であった。今日も揚子江や岷江の水運、雲南省方面への鉄道・自動車などの交通の中心地である。2019年全線開通予定の成貴高速鉄道(成都(せいと)―貴陽(きよう))が完成すると、同鉄道が通る宜賓東駅は四川省南部最大の駅となる。市中心部の北西約8キロメートルには宜賓菜壩(さいは)空港があるが、より規模の大きな新空港を建設中である(2018年開港予定)。
中国でも有数の製紙工場をはじめ、機械、醸造などの工業もみられる。なお、チョウザメの養殖が揚子江で行われている。中国酒の五粮液(ウーリャンイエ)は特産である。
[小野菊雄・編集部 2017年8月21日]