ヤングケアラー

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ヤングケアラー」の意味・わかりやすい解説

ヤングケアラー

本来大人が担うと想定される家事や家族の世話などを日常的に行なっている 18歳未満の子供。法令上の定義はないが,多くは親や祖父母,きょうだいといった家庭内に介護看病,手厚い世話を必要とする者がいる場合に,大人なみの責任を引き受けてそのサポートや関連作業にあたる子供をさす。本来子供が享受できるはずである,勉強やクラブ活動に打ち込む時間や友人らと他愛なく過ごす時間,将来についてあれこれ考える時間が奪われるため,大きなストレスとなり,学業就職,友人とのコミュニケーションなどに深刻な影響を及ぼすケースも少なくない。
2021年4月に厚生労働省が公表した調査結果によると,公立中学校2年生の 5.7%(約 17人に一人),公立の全日制高校2年生の 4.1%(約 24人に一人)がヤングケアラーに該当することがわかった。2022年4月には,小学校6年生の 6.5%(約 15人に一人),大学3年生の 6.2%(約 16人に一人)がヤングケアラーであるとの調査結果も発表された。さらに,子供たち自身にヤングケアラーであるとの自覚が少ないことも明らかになった。家庭内のことであるため問題表面化しにくく,見過ごされやすいため,正確な実態把握早期発見対策を講じることが求められている。

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