尊ぶ(読み)トウトブ

デジタル大辞泉 「尊ぶ」の意味・読み・例文・類語

とうと・ぶ〔たふとぶ〕【尊ぶ/貴ぶ】

[動バ五(四)]
尊いものとしてあがめる。たっとぶ。「神仏を―・ぶ」
価値あるものとして重んじる。尊重する。たっとぶ。「人命を―・ぶ」
[動バ上二]に同じ。
「耳を―・ぶるあまり」〈新古今仮名序
[類語]尊敬敬う崇める仰ぐ敬する畏敬崇拝敬愛慕う敬慕敬仰景仰崇敬私淑傾倒心酔心服敬服

たっと・ぶ【尊ぶ/貴ぶ】

[動バ五(四)]《「たふとぶ」の音変化》「とうとぶ」に同じ。「人の命を―・ぶ」

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「尊ぶ」の意味・読み・例文・類語

たっと・ぶ【尊・貴】

  1. ( 「たふとぶ」の変化した語 )
  2. [ 1 ] 〘 他動詞 バ上二段活用 〙 あがめ重んずる。とうとぶ。
    1. [初出の実例]「とくをたっとぶる義をこたうるなり」(出典:成簣堂本論語抄(1475頃)顔淵)
  3. [ 2 ] 〘 他動詞 バ五(四) 〙 [ 一 ]に同じ。
    1. [初出の実例]「時に循吏をたっとひ用らるる事もないに」(出典:史記抄(1477)一五)
    2. 「左は文、右は武也。周は文をたっとぶほどに、左をたっとび」(出典:寛永刊本蒙求抄(1529頃)一〇)

尊ぶの補助注記

連用形は[ 一 ][ 二 ]か明らかでないが、便宜上[ 二 ]に入れた。


とうと・ぶたふとぶ【尊・貴】

  1. [ 1 ] 〘 他動詞 バ上二段活用 〙 あがめ敬う。敬って大切に扱う。重んじる。尊重する。たっとぶ。とうとむ。
    1. [初出の実例]「天皇、仏の法(みのり)を信(う)けたまひ、神の道を尊(タフトヒ)たまふ」(出典日本書紀(720)用明即位前(図書寮本訓))
    2. 「男女来りをがみてよろこびたうとぶる物おのづからおほかり」(出典:観智院本三宝絵(984)下)
  2. [ 2 ] 〘 他動詞 バ五(四) 〙 [ 一 ]に同じ。
    1. [初出の実例]「是の龍の中に尚(タフトフ)所の花」(出典:大日経義釈延久承保点(1074))

たと・ぶ【尊・貴】

  1. [ 1 ] 〘 他動詞 バ上二段活用 〙たっとぶ(尊)
    1. [初出の実例]「為世所(タトビラル)〔論序〕」(出典:文明本節用集(室町中))
  2. [ 2 ] 〘 他動詞 バ四段活用 〙たっとぶ(尊)
    1. [初出の実例]「礼不(タトバズ)芸〔論語疏〕」(出典:文明本節用集(室町中))

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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