小松石(読み)コマツイシ

精選版 日本国語大辞典 「小松石」の意味・読み・例文・類語

こまつ‐いし【小松石】

  1. 〘 名詞 〙 石材一つ。伊豆半島海岸一帯に産する輝石安山岩。灰色できめこまかく、斑晶の少ない本小松と、灰色または赤褐色で比較的きめ荒く斑晶の多い新小松とがある。
    1. [初出の実例]「此の墓は三段の台石ぐるみ総高さ七尺の小松石(コマツイシ)で」(出典江戸から東京へ(1921)〈矢田挿雲〉七)

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改訂新版 世界大百科事典 「小松石」の意味・わかりやすい解説

小松石 (こまついし)

神奈川県足柄下郡湯河原町,真鶴(まなづる)町の海浜一帯から産出する輝石安山岩の石材名。白色,青灰色,あるいは酸化してやや赤みを帯びたものなど数種の色がある。江戸という大消費地に近接していることから,土木用材として古くから利用され,江戸城石垣もすべてこの石である。明治以降も東京の石造建築に相当量使用されたが,今日では稲田石をはじめとする御影石に圧倒されて,産額僅少にすぎない。
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最新 地学事典 「小松石」の解説

こまついし
小松石

Komatsu stone

神奈川県真鶴駅山側で採掘される石材。本小松石とも。鮮新世両輝石安山岩。鎌倉時代から利用され,江戸城石垣に使用されるなど,明治時代に稲田石が用いられるまでは関東の石材の主流。関東における最高級墓石。新小松石は海側の類似岩で,小松石より粗粒でやや白い。

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百科事典マイペディア 「小松石」の意味・わかりやすい解説

小松石【こまついし】

神奈川県真鶴周辺で採掘される灰色の石材。関東地方南部で古くから石材として利用されており,江戸城の石垣など利用例は多い。現在ではおもに高級墓石として切り出されている。鮮新世の複輝石安山岩である。

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世界大百科事典(旧版)内の小松石の言及

【真鶴[町]】より

…北部の山麓ではミカン栽培が行われる。石材採掘も行われ,かつては江戸城改修や品川台場建設に用いられたが,現在は墓石用(小松石),土木用(新小松石)の石材として京浜を中心に出荷されている。真鶴半島の先端海上に三ッ石の名で呼ばれて巨岩が並び,半島中部には中川一政美術館が建つ。…

※「小松石」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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