デジタル大辞泉 「真鶴」の意味・読み・例文・類語
まな‐づる【▽真鶴/真名鶴】
[補説]地名・書名別項。→真鶴(地名)/真鶴(書名)
[類語]鶴・田鶴・丹頂・鍋鶴
神奈川県の南西端、足柄下郡(あしがらしもぐん)にある町。1927年(昭和2)町制施行。1956年(昭和31)岩村と合併。JR東海道本線、国道135号、真鶴道路が通じる。真鶴半島の基部北側に位置する真鶴港は、小田原の早川、静岡県伊東漁港などとともに相模(さがみ)湾西岸の重要な鮮魚の流通基地で、沿岸はブリ、サワラの定置漁業で知られるが、漁獲量は減少している。町内の山地は箱根火山の古期外輪山の斜面で、海岸から切り出される石材(小松石)は、かつて江戸城の造営(石垣)に使われた歴史をもち、斜面は現在はほとんどミカン園に開かれている。第二次世界大戦後、京浜の公私の保養所の建設が目だち、相模湾岸休養地の一つとなっている。貴船神社(きぶねじんじゃ)の船祭は、御座船(ござぶね)形式の典型を示すとともに、鹿島踊(かしまおどり)が演じられ、古風な船歌が残されているのが特色で、国指定の重要無形民俗文化財である。県立真鶴半島自然公園の北部の岩海岸に横浜国立大学臨海環境センターがある。面積7.05平方キロメートル、人口6722(2020)。
[浅香幸雄]
『『真鶴町史』(1993・真鶴町)』
神奈川県南西部,足柄下郡の町。人口8212(2010)。箱根火山の溶岩流によって形成され,相模湾に突出する真鶴半島(真鶴岬)を占める。黒潮の影響により四季を通じて温暖で,保養地として発展している。中心集落の真鶴は真鶴半島の頸部にあり,相模湾西岸でも有数の漁港である。ブリ,アジ,サバなど沖合定置網漁業が主体であるが,1960年代後半にブリの漁獲高が激減し,近年はアワビ,サザエなどの養殖や釣客相手の一本釣りの観光漁業が盛んになっている。北部の山麓ではミカン栽培が行われる。石材採掘も行われ,かつては江戸城改修や品川台場建設に用いられたが,現在は墓石用(小松石),土木用(新小松石)の石材として京浜を中心に出荷されている。真鶴半島の先端海上に三ッ石の名で呼ばれて巨岩が並び,半島中部には中川一政美術館が建つ。貴船神社の船祭は日本三大船祭の一つに数えられる。JR東海道本線が通じる。
執筆者:千葉 立也+伊倉 退蔵
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