真鶴(読み)マナヅル

デジタル大辞泉 「真鶴」の意味・読み・例文・類語

まな‐づる【真鶴/真名鶴】

ツル科の鳥。タンチョウよりやや小さい。体が灰色で、頭頸部が白く、顔は裸出して赤い。脚は暗赤色シベリア・中国北部で繁殖し、主に日本で越冬。鹿児島県出水いずみ市の渡来地では特別天然記念物。たづる。
[補説]地名・書名別項。→真鶴(地名)真鶴(書名)
[類語]田鶴丹頂鍋鶴

まなづる【真鶴】[書名]

志賀直哉短編小説。大正9年(1920)発表。恋と知らず年上の女性に惹かれる少年の心理を描く。
川上弘美長編小説。「文学界」誌に平成17年(2005)から平成18年(2006)にかけて連載。失踪した夫の日記に導かれて真鶴を訪れる女性の心理を描く。平成19年(2007)年、第57回芸術選奨文部科学大臣賞受賞。

まなづる【真鶴】[地名]

神奈川県足柄下郡の地名。相模湾に面し、真鶴岬がある。小松石の産地。

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精選版 日本国語大辞典 「真鶴」の意味・読み・例文・類語

まな‐づる【真鶴・真名鶴】

  1. [ 1 ] 〘 名詞 〙 ツル科の鳥。全長約一二五センチメートル、翼開張約一八〇センチメートルの中形のツル。くびと翼が白色を帯びるほかは灰黒色で、顔と額は裸出して赤い。あし赤色で目立ち、くちばしは黄緑色。シベリア南東部などで繁殖し、冬季に中国・朝鮮・日本などに渡る。明治以前には日本各地に渡来したが現在では鹿児島県出水(いずみ)市付近に渡来する。一〇月下旬に現われ、田・沼沢地などで小動物や草の根などを食べる。《 季語・秋 》
    1. [初出の実例]「まなつるをたちゐなかせるかたのすにちとせのあとをのこさざらめや」(出典:忠岑集(10C前))
  2. [ 2 ] ( 真鶴 ) 神奈川県南西端の地名。相模湾岸の主要漁港の一つ。傾斜地ではミカンを栽培。また、小松石などの石材を産出。貴船(きぶね)神社・真鶴岬がある。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「真鶴」の意味・わかりやすい解説

真鶴(町)
まなづる

神奈川県の南西端、足柄下郡(あしがらしもぐん)にある町。1927年(昭和2)町制施行。1956年(昭和31)岩村と合併。JR東海道本線、国道135号、真鶴道路が通じる。真鶴半島の基部北側に位置する真鶴港は、小田原早川、静岡県伊東漁港などとともに相模(さがみ)湾西岸の重要な鮮魚の流通基地で、沿岸はブリ、サワラの定置漁業で知られるが、漁獲量は減少している。町内の山地箱根火山の古期外輪山の斜面で、海岸から切り出される石材(小松石)は、かつて江戸城の造営(石垣)に使われた歴史をもち、斜面は現在はほとんどミカン園に開かれている。第二次世界大戦後、京浜の公私の保養所の建設が目だち、相模湾岸休養地の一つとなっている。貴船神社(きぶねじんじゃ)の船祭は、御座船(ござぶね)形式の典型を示すとともに、鹿島踊(かしまおどり)が演じられ、古風な船歌が残されているのが特色で、国指定の重要無形民俗文化財である。県立真鶴半島自然公園の北部の岩海岸に横浜国立大学臨海環境センターがある。面積7.05平方キロメートル、人口6722(2020)。

[浅香幸雄]

『『真鶴町史』(1993・真鶴町)』


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改訂新版 世界大百科事典 「真鶴」の意味・わかりやすい解説

真鶴[町] (まなづる)

神奈川県南西部,足柄下郡の町。人口8212(2010)。箱根火山の溶岩流によって形成され,相模湾に突出する真鶴半島(真鶴岬)を占める。黒潮の影響により四季を通じて温暖で,保養地として発展している。中心集落の真鶴は真鶴半島の頸部にあり,相模湾西岸でも有数の漁港である。ブリ,アジ,サバなど沖合定置網漁業が主体であるが,1960年代後半にブリの漁獲高が激減し,近年はアワビ,サザエなどの養殖や釣客相手の一本釣りの観光漁業が盛んになっている。北部の山麓ではミカン栽培が行われる。石材採掘も行われ,かつては江戸城改修や品川台場建設に用いられたが,現在は墓石用(小松石),土木用(新小松石)の石材として京浜を中心に出荷されている。真鶴半島の先端海上に三ッ石の名で呼ばれて巨岩が並び,半島中部には中川一政美術館が建つ。貴船神社の船祭は日本三大船祭の一つに数えられる。JR東海道本線が通じる。
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[日本酒・本格焼酎・泡盛]銘柄コレクション 「真鶴」の解説

まなつる【真鶴】

宮城の日本酒。酒名は、元は「東華正宗」だったが、伊達藩重臣で中新田城主の只野図書(ずしょ)が、奥方・真葛(まくず)が鶴をこよなく愛したことにちなみ命名。純米大吟醸酒、山廃仕込み純米酒、純米吟醸酒、純米酒などをそろえる。大吟醸「金紋真鶴」は平成21、22、25年度全国新酒鑑評会で金賞受賞。原料米は蔵の華、山田錦、美山錦などの県産米。仕込み水は奥羽山系の伏流水。蔵元の「田中酒造店」は伊達藩の呉服商だった初代・田中林兵衛が、寛政元年(1789)に酒造業を開始。所在地は加美郡加美町字西町。

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百科事典マイペディア 「真鶴」の意味・わかりやすい解説

真鶴[町]【まなづる】

神奈川県南西部,足柄下(あしがらしも)郡の町。中心の真鶴港は,相模湾に臨む真鶴岬の基部にある。石材の採掘が有名で,京浜方面などへ搬出される。柑橘(かんきつ)類の栽培,ブリの漁獲なども行われる。先端の三ッ石を中心に近年観光地化が著しい。東海道本線,真鶴道路が通じる。7.04km2。8212人(2010)。

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事典・日本の観光資源 「真鶴」の解説

真鶴

(神奈川県足柄下郡真鶴町)
かながわ未来遺産100」指定の観光名所。

出典 日外アソシエーツ「事典・日本の観光資源」事典・日本の観光資源について 情報

デジタル大辞泉プラス 「真鶴」の解説

真鶴(まなつる)

宮城県、株式会社田中酒造店の製造する日本酒。大吟醸酒、純米酒、本醸造酒などがある。全国新酒鑑評会で金賞の受賞歴がある。

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