ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「山崎正和」の意味・わかりやすい解説
山崎正和
やまざきまさかず
[没]2020.8.19. 兵庫
劇作家,評論家。5歳から 14歳までの少年期を満州の奉天で過ごし,1948年帰国。京都大学哲学科卒業,同大学院博士課程修了。1963年,足利義満と世阿弥を光と影の関係としてとらえた『世阿弥』(俳優座上演)で第9回「新劇」岸田戯曲賞(→岸田国士戯曲賞)を受賞。1964~66年エール大学に留学。その後,平清盛と後白河院との葛藤を描いた『野望と夏草』(1970),『実朝出帆』(1973)などの史劇を発表する一方,『劇的なる精神』(1966)に始まる評論活動も多彩に展開する。著書に『劇的なる日本人』(1971),読売文学賞受賞の『鴎外 闘う家長』(1972),『不機嫌の時代』(1976),「脱工業化社会」における個人のあり方を予測し吉野作造賞に輝いた『柔らかい個人主義の誕生』(1984),『社交する人間』(2003)などがある。関西大学教授,大阪大学教授,東亜大学学長などを歴任し,教育者として後進の育成に努めるかたわら,1979年開高健らとともにサントリー文化財団を設立し,研究者を顕彰するサントリー文化賞を創設するなど文化・芸術活動を支え続けた。2007~09年には文部科学省の中央教育審議会会長を務めた。2006年文化功労者選定,2011年日本芸術院賞・恩賜賞受賞,2018年文化勲章受章。
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