岳温泉(読み)ダケオンセン

デジタル大辞泉 「岳温泉」の意味・読み・例文・類語

だけ‐おんせん〔‐ヲンセン〕【岳温泉/×嶽温泉】

青森県南西部、岩木山の南西側のふもとにある温泉。泉質硫黄泉酸性泉。「嶽温泉」と記すことが多い。
福島県二本松市安達太良山東側のふもとにある温泉。泉質は酸性泉。「岳温泉」と記すことが多い。

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日本歴史地名大系 「岳温泉」の解説

岳温泉
だけおんせん

[現在地名]二本松市岳温泉

安達太良山の東斜面、標高五〇〇―五五〇メートルほどの所に位置する。温泉の湯元はてつ山の南東部に開いた鉄山火口の低部、標高一四〇〇メートルほどの所にあり、湯元から約八キロほどを松の樋で引湯し、各旅館に給湯している。温泉源は坂上田村麻呂が東征のとき発見したとか、明応(一四九二―一五〇一)の頃狩人が発見したなどといわれ、また天正(一五七三―九二)の頃秩父道閑が湯坪を整備したなどとも伝えるが、いずれも伝説の域をでない。しかし天正一四年九月七日の二本松配分日記(伊達家文書)によると、安田二郎右衛門に「こやゆミち関一ケ所」(小屋湯道関)が宛行われており、この小屋湯は当湯をさすとみられるので、一六世紀後半には発見、利用されていたとみられる。寛永二〇年(一六四三)のものと思われる二本松藩への差出文書(松藩捜古)のなかに「但二本松岳之峰西猪苗代方ニ沼有り、其下ニ沼尻之湯有り、此沼より同湯迄二本松岳湯元より只今迄仕配仕来候」とある。この「岳湯元」は当温泉のことであり、江戸時代を通じ深堀小屋ふかぼりこやの住民が湯守と湯小屋の管理に当たっていた。

「家世実紀」寛延二年(一七四九)一〇月一七日条に載る、二本松藩領深堀小屋と白木城しらきじよう(現猪苗代町)にかかわる訴訟文書に、「沼尻之湯者前々より湯銭者二本松領深堀小屋ニ而取之、湯守小屋地之白木城村より貸之、小屋銭を会津領ニ而取候仕来」とあり、「裏湯(沼尻の湯)一件者古例之儀」と記される。したがって寛永二〇年の二本松領目録(二本松市史)にみえる湯銭は当湯と沼尻ぬまじりの湯(現猪苗代町)両者から上納されたものと考えることができる。


岳温泉
だけおんせん

[現在地名]岩木町常盤野 岳

岩木山の南西麓、常盤野ときわの集落の東にある。

封内事実秘苑(市立弘前図書館蔵)によれば延宝八年(一六八〇)四代藩主津軽信政によって開かれたという。「岩木村郷土史」では同二年百沢ひやくざわ村の野呂長五郎なる者が発見し、小屋を建てたとする。泉源は鳥海ちようかい山寄りの西麓、ノ沢の沢頭の標高約七〇〇―八〇〇メートルの地点にあって、ここから引湯した。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「岳温泉」の意味・わかりやすい解説

岳温泉(福島県)
だけおんせん

福島県中通り北部、二本松市(にほんまつし)にある温泉。安達太良山(あだたらやま)東斜面の標高約500メートルにある国民保養温泉地。15世紀の開発とされ、明治期に現在地に温泉街を形成した。泉質は含鉄泉である。周辺にはスキー場、ゴルフ場、サファリパーク、県民の森などがあり、安達太良登山の根拠地でもある。国道459号が通じ、JR東北本線二本松駅からバスの便がある。安達太良山中腹には奥岳温泉があり、観光ゴンドラ「あだたらエクスプレス」が運転されている。

[原田 榮]


岳温泉(青森県)
だけおんせん

青森県南西部、弘前市(ひろさきし)にある温泉。「嶽温泉」とも。岩木山南麓(なんろく)の標高約450メートルにあり、江戸時代に津軽(弘前)藩主も入湯したという。泉源は湯の沢の沢頭、標高700メートルの地点にあり、ここから引き湯している。このため冬は湯の温度が極度に下がり、閉鎖していたが、近年ボーリングによる新しい泉源を確保し、旅館に内湯が設けられた。泉質は硫黄泉。弘前駅からバスの便がある。

[横山 弘]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「岳温泉」の意味・わかりやすい解説

岳温泉
だけおんせん

福島県北東部,二本松市西部の安達太良山 (1709m) の東麓,標高 580mの高原にある温泉。源泉は鉄山南東の旧火口から湧出し,これを引き湯している。泉質は酸性泉。泉温は 51℃。国民保養温泉地に指定。スキー場もあり,安達太良山の登山基地。近くの湯川渓谷は景勝地

岳温泉
だけおんせん

青森県西部,岩木山南西麓にある温泉。嶽温泉とも書く。標高約 480mの高原に湧出。泉質は硫黄泉。泉温 40~50℃。皮膚病にきく。古くから湯治客に利用されたが,1965年津軽岩木スカイラインが建設されてからスキー客,観光客などが多くなった。

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