巌本真理(読み)いわもとまり

日本大百科全書(ニッポニカ) 「巌本真理」の意味・わかりやすい解説

巌本真理
いわもとまり
(1926―1979)

バイオリン奏者。東京生まれ。5歳より小野アンナ師事し、11歳で音楽コンクール第1位に入賞。1939年(昭和14)以後、独奏者として活躍。46~50年(昭和21~25)東京音楽学校教授。52年、東京交響楽団に客演した際のシベリウス協奏曲演奏により毎日音楽賞受賞。また室内楽斎藤秀雄に学び、64年「巌本真理弦楽四重奏団」を発足させて定期演奏会を重ね、室内楽の普及発展に努めた。同団は72年芸術選奨文部大臣賞、79年サントリー特別賞などを受賞した。

[川口明子]

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「巌本真理」の解説

巌本真理 いわもと-まり

1926-1979 昭和時代バイオリニスト
大正15年1月19日生まれ。巌本善治(よしはる)の孫。小野アンナに師事,昭和12年12歳で音楽コンクール第1位。14年から独奏者として活躍。21年から25年まで東京音楽学校(現東京芸大)教授。室内楽を斎藤秀雄にまなび,39年巌本真理弦楽四重奏団を結成。日本の室内楽の発展につくした。昭和54年5月11日死去。53歳。東京出身。

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世界大百科事典(旧版)内の巌本真理の言及

【バイオリン】より

…大正時代にはジンバリストEfrem Zimbalist(1889‐1985),F.クライスラー,J.ハイフェッツなどの名演奏家が多数来日し,バイオリンへの関心が高まった。しかしバイオリンが一般化したのは昭和にはいってからであり,第2次世界大戦直前の時期には諏訪根自子,巌本真理,江藤俊哉,岩淵竜太郎などの演奏家が活躍している。第2次大戦以後,演奏,製作技術は急速な進歩を遂げ,バイオリンが衰退しつつあるヨーロッパに代わって,世界各国で独奏家としてまた交響楽団の一員として活躍する日本人演奏家が増大している。…

※「巌本真理」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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