ドイツ連邦共和国の政党。左派党、リンケとも。民主社会党(PDS)と「選挙オルタナティブ・雇用と社会的公正(WASG:Arbeit & soziale Gerechtigkeit - Die Wahlalternative)」による統一会派が発展し合同して2007年に誕生した。
PDSは、旧東ドイツの体制政党であった社会主義統一党(SED)の後継政党である。当初は消滅の可能性すら指摘されていたが、ドイツ統一後の経済的停滞に失望した旧東ドイツ市民の支持を得て、旧東ドイツ領域で一定の地歩を占めることになる。長らく他党はPDSとの協力を拒否し、またPDS内でも政権参加について論争があったが、1998年にメクレンブルク・フォアポンメルン州で初めて社会民主党(SPD)とPDSとの連立政権(赤赤連立とよばれる)が成立(~2006)。ついで2002年にはベルリン(州に相当)でも赤赤連立政権が成立した(~2011)。
一方WASGは、SPDと緑の党の連立であるシュレーダー政権(1998~2005)が進めた経済改革に反発した労働組合の活動家や左派の政治家たちによって、2004年に結成された組織であり、2005年に政党となった。SPD左派のスターであったオスカル・ラフォンテーヌOskar Lafontaine(1943― )も同党を離党し、WASGに参加。その後WASGとPDSは協力を進め、2005年の連邦議会選挙では統一会派として戦い、8.7%の得票率で第四党となった。両党は2007年6月に合同し、左翼党が発足した。2009年の連邦議会選挙では得票率11.9%(第四党)、2013年同選挙では8.6%(第三党)、2017年同選挙では9.2%(第五党)、2021年同選挙では4.9%(第六党)。
左翼党の躍進は、SPDの弱体化とともに、ドイツ政治における左派の再編を促した。依然として連邦レベルで政権に参加する見通しはないが、州レベルでは前述の赤赤連立(2009年から2019年までブランデンブルク州でも成立)に加え、赤赤緑連立(左翼党、SPD、緑の党の3党連立)が2014年からチューリンゲン州で、2016年からベルリンで、2019年からブレーメンで成立している。左翼党のドイツ政治への定着(およびドイツのための選択肢(AfD)の台頭)は、ドイツ政治における多党化傾向を促し、州や連邦における連立政治を複雑なものにしている。
[板橋拓己 2022年6月22日]
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