市山七十郎(読み)イチヤマ ナソロウ

新撰 芸能人物事典 明治~平成 「市山七十郎」の解説

市山 七十郎(5代目)
イチヤマ ナソロウ


職業
日本舞踊家

肩書
市山流宗家(5代目)

本名
川田 カメ

別名
前名=市山 七十世

生年月日
明治22年 8月5日

出生地
東京市日本橋区浜町(東京都 中央区)

経歴
祖母の4代宗家・七十郎の後継者として育てられ、明治43年市山七十世を襲名。また他家元の藤間勘翁、2代目花柳寿輔、吉村ゆうらに師事、修業した。明治末から大正初めにかけては妹の川田芳子と共に一時女優として舞台に立った。昭和23年祖母の後を継いで5代市山七十郎の名を復活、襲名し、家元継承。この間、地盤新潟の花街や県下門弟指導に当たり、市山流独特の伝承曲、古典舞踊の保存に尽した。「木賊刈」「喜撰」など立役が得意で「隅田川」「檜垣」などの振付作品が多い。

受賞
勲五等宝冠章〔昭和42年〕

没年月日
昭和43年 1月26日 (1968年)

家族
祖母=市山 七十郎(4代目),長女=市山 七十郎(6代目),孫=市山 七十世(市山流7代目家元),妹=川田 芳子(女優)


市山 七十郎(6代目)
イチヤマ ナソロウ


職業
日本舞踊家

肩書
市山流宗家(6代目),市山会主宰

本名
川田 実子(カワダ ジツコ)

別名
前名=市山 七十世(イチヤマ ナソヨ),別芸名=望月 初実

生年月日
大正10年 2月20日

出生地
新潟県

学歴
新潟高女〔昭和12年〕卒

経歴
母の5代目市山七十郎に師事、昭和23年市山七十世を襲名。45年6代目七十郎を襲名し、市山流宗家を継承。歌舞伎舞踊を伝承するとともに、新潟の花街古町の師匠も務めた。

所属団体
日本舞踊協会,新潟市音楽芸能協会

受賞
勲五等瑞宝章〔平成9年〕

没年月日
平成18年 2月17日 (2006年)

家族
母=市山 七十郎(5代目),長女=市山 七十世(市山流7代目家元)

親族
叔母=川田 芳子(女優)

出典 日外アソシエーツ「新撰 芸能人物事典 明治~平成」(2010年刊)新撰 芸能人物事典 明治~平成について 情報

20世紀日本人名事典 「市山七十郎」の解説

市山 七十郎(5代目)
イチヤマ ナソロウ

明治〜昭和期の日本舞踊家 市山流宗家(5代目)。



生年
明治22(1889)年8月5日

没年
昭和43(1968)年1月26日

出生地
東京市日本橋区浜町(現・東京都中央区)

本名
川田 カメ

別名
前名=市山 七十世

主な受賞名〔年〕
勲五等宝冠章〔昭和42年〕

経歴
祖母の4代宗家・七十郎の後継者として育てられ、明治43年市山七十世を襲名。また他家元の藤間勘翁、2代目花柳寿輔、吉村ゆうらに師事、修業した。明治末から大正初めにかけては妹の川田芳子と共に一時女優として舞台に立った。昭和23年祖母の後を継いで5代市山七十郎の名を復活、襲名し、家元継承。この間、地盤の新潟の花街や県下の門弟の指導に当たり、市山流独特の伝承曲、古典舞踊の保存に尽した。「木賊刈」「喜撰」など立役が得意で「隅田川」「檜垣」などの振付作品が多い。

出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「市山七十郎」の解説

市山七十郎(5代) いちやま-なそろう

1889-1968 明治-昭和時代の日本舞踊家。
明治22年8月5日生まれ。明治の末,妹の川田芳子とともに舞台女優となるが,大正5年舞踊に復帰。昭和23年市山七十郎名を復活させ,5代を襲名する。「木賊刈(とくさかり)」「喜撰(きせん)」などの立役(たちやく)を得意とした。昭和43年1月26日死去。78歳。東京出身。本名は川田カメ。

市山七十郎(初代) いちやま-しちじゅうろう

1751-1822 江戸時代中期-後期の舞踊振付師。
宝暦元年生まれ。京都の公家侍の出で,能狂言師から転じたという。3代瀬川菊之丞(きくのじょう)にひきたてられ,寛政11年菊之丞の父の市山姓を名のる。江戸市山流の祖。文政5年10月29日死去。72歳。初名は山口勘七。前名は山口七十郎。別名に七宝斎。

市山七十郎 いちやま-しちじゅうろう

?-? 江戸時代中期の舞踊振付師。
3代瀬川菊之丞,初代瀬川如皐(じょこう)の父。初代市山助五郎の門人。歌舞伎の立役(たちやく)から振付師に転じ,市山流の祖となる。大坂のほとんどの役者を指導。宝暦(1751-64)のころ活躍。門人に市山源蔵ら。

市山七十郎(2代) いちやま-しちじゅうろう

?-? 江戸時代後期の舞踊振付師。
能楽師から転じて初代市山七十郎に師事し,文政元年(1818)2代を襲名。文政の後半,2代藤間勘十郎,3代西川扇蔵と対抗したが,12年以後の消息は不明。前名は市山兼次郎。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

367日誕生日大事典 「市山七十郎」の解説

市山 七十郎(5代目) (いちやま なそろう)

生年月日:1889年8月5日
明治時代-昭和時代の日本舞踊家
1968年没

出典 日外アソシエーツ「367日誕生日大事典」367日誕生日大事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の市山七十郎の言及

【四季詠寄三大字】より

…3世坂東三津五郎初演。2世瀬川如皐作詞,市山七十郎振付。12ヵ月の十二変化物で,傾城,坊主,業平,いさみ商人,清正虎狩,台所唐人,田舎ごぜ,鹿島踊,木賊苅(とくさかり),雇奴(やといやつこ),鷺娘,金太郎と続く。…

【玉兎】より

…作曲清沢万吉(初世清元斎兵衛)。振付市山七十郎(なそろう),3世藤間勘兵衛。月から飛び出した兎の餅つき,かちかち山の物語,わらべうたなど子ども向きの舞踊だが,大人が手足まる出しの袖なし姿で踊る飄逸(ひよういつ)な振りも面白い。…

【供奴】より

…作曲4世杵屋三郎助(10世杵屋六左衛門)。振付市山七十郎,藤間大助(2世藤間勘十郎),4世西川扇蔵。供をして廓(くるわ)へいく奴を描く。…

※「市山七十郎」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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