デジタル大辞泉
「喜撰」の意味・読み・例文・類語
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きせん【喜撰】
- [ 1 ]
- [ 一 ] 平安初期の歌人。六歌仙の一人。喜撰法師。別名醍醐法師。山城国の人で、出家したあと、醍醐山、のち宇治山に隠れて仙人となり、雲に乗って姿を消したと伝えられる。歌学書「喜撰式」の著者ともいう。生没年未詳。
- [ 二 ] 歌舞伎所作事。清元、長唄。松本幸二作詞。清元は清元斎兵衛、長唄は十世杵屋六左衛門作曲。五変化舞踊「六歌仙容彩(ろっかせんすがたのいろどり)」の一つ。天保二年(一八三一)江戸中村座初演。所化姿の喜撰がお端下(はした)女中(のち茶汲み女)を相手のクドキや住吉踊りを見せる。
- [ 2 ] 〘 名詞 〙 茶の銘柄の一つ。また、転じて茶そのものもいう。
- [初出の実例]「折鷹雁金もよいが喜撰にゃ及ばねへ」(出典:洒落本・讚極史(1789‐1801))
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喜撰 (きせん)
歌舞伎舞踊。長唄・清元。五変化《六歌仙容彩(ろつかせんすがたのいろどり)》の一曲。春の祇園で,喜撰法師が茶汲女と戯れる洒落気豊かな作品。坊さん姿でリズミカルに踊るちょぼくれや,姉さんかぶり,前垂姿で見せる〈姉さんおんじょかえ〉の悪身(わりみ)など,明るくおどけた味で,お迎え坊主たちの住吉踊もにぎやかでおもしろい。平安朝の歌仙を,天保期の歌舞伎舞踊らしい感覚で奇抜奔放に仕立てているのが特色。
→文屋(ぶんや) →六歌仙
執筆者:如月 青子
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喜撰
きせん
生没年未詳。平安前期の歌人。六歌仙の一人。基泉、窺仙(詮)、撰喜とも。都のほとりに住んだ隠者風の僧侶(そうりょ)歌人であろうが、『古今集』仮名序に、「よめる歌多く聞えねば、かれこれを通はして、よく知らず」とあるように、当時すでに伝説的人物だったらしい。確認される作品も、「わが庵(いほ)は都の辰巳(たつみ)しかぞ住む世をうぢ山と人はいふなり」(『古今集』雑下)の1首のみ。その歌風は同序に「言葉かすかにして、初め終りたしかならず。いはば秋の月を見るに、暁の雲にあへるがごとし」と評されている。歌学書『倭歌作式(わかさくしき)(喜撰式)』の作者に擬せられているが、同書は彼に仮託した平安中期のものである。
[犬養 廉]
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喜撰
生年:生没年不詳
8世紀末から9世紀前半ごろの人か。僧,歌人。六歌仙のひとり。その作として確かなのは,「わが庵はみやこの辰巳しかぞ住む世をうぢ山と人はいふなり」(『古今集』巻18)の1首のみ。歌論書『倭歌作式』(異称『喜撰式』)の作者ともいうが明らかでない。『古今集』仮名序に,「詠める歌,多く聞えねば,かれこれを通はして,良く知らず」とあり,当時でもすでに詳細はわからなかったらしい。宇治山中に隠棲し,のちには仙術により雲に乗って飛び去ったとも伝える。京都府宇治市の東方,喜撰山にその名を残す。<参考文献>高崎正秀『六歌仙前後』(『高崎正秀著作集』4巻)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報
喜撰
きせん
邦楽の曲名。六歌仙の喜撰法師またはその歌を題材とする。 (1) 清元節と長唄の掛合の伴奏による舞踊劇。六歌仙を題材とした五変化舞踊『六歌仙容彩 (ろっかせんすがたのいろどり) 』の4番目の曲。天保2 (1831) 年3月,江戸中村座初演。松本幸二作詞。清元節は1世清元斎兵衛作曲。長唄は 10世杵屋六左衛門作曲。 (2) 荻江節。作詞者,作曲者,年代未詳。 (3) 山田流箏曲。荻江節と同詞章であるが,先後関係は未詳。明治期に音楽取調掛によって『小野の山』として歌詞を改めた。
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喜撰 きせん
?-? 平安時代前期の僧,歌人。
「古今和歌集」序で六歌仙のひとりにかぞえられ,1首が収録されている。宇治山(現京都府喜撰山)に隠棲(いんせい)したというが,経歴は不明で,当時から伝説的な人物だったらしい。基泉,窺仙(詮)ともしるされる。
【格言など】わが庵(いほ)は都のたつみしかぞ住む世を宇治山と人はいふなり(「小倉百人一首」)
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喜撰
きせん
生没年不詳。平安時代の歌人。系譜・経歴など不詳。六歌仙の1人。「古今集」仮名序は「宇治山の僧喜撰は,詞かすかにして,始め終りたしかならず」と評する。確実な作品は「古今集」の「わが庵は都の辰巳(たつみ)しかぞ住む世をうぢ山と人はいふなり」のみ。「古今集」編纂時すでに伝説的人物であったらしく,宇治山に住んだ歌詠みの僧ということしかわからない。
出典 山川出版社「山川 日本史小辞典 改訂新版」山川 日本史小辞典 改訂新版について 情報
喜撰
〔長唄〕
きせん
歌舞伎・浄瑠璃の外題。- 作者
- 松本幸二
- 演者
- 杵屋六左衛門(10代)
- 初演
- 天保2.3(江戸・中村座)
出典 日外アソシエーツ「歌舞伎・浄瑠璃外題よみかた辞典」歌舞伎・浄瑠璃外題よみかた辞典について 情報
喜撰
きせん
生没年不詳
平安前期の歌人。六歌仙の一人
伝記不詳。京都の南の宇治山付近に住んでいたという。歌は『古今和歌集』に1首を残す。
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