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喜撰 きせん

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

喜撰
きせん

邦楽の曲名。六歌仙喜撰法師またはその歌を題材とする。 (1) 清元節長唄の掛合の伴奏による舞踊劇。六歌仙を題材とした五変化舞踊『六歌仙容彩 (ろっかせんすがたのいろどり) 』の4番目の曲。天保2 (1831) 年3月,江戸中村座初演。松本幸二作詞。清元節は1世清元斎兵衛作曲。長唄は 10世杵屋六左衛門作曲。 (2) 荻江節。作詞者,作曲者,年代未詳。 (3) 山田流箏曲。荻江節と同詞章であるが,先後関係は未詳。明治期に音楽取調掛によって『小野の山』として歌詞を改めた。

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デジタル大辞泉の解説

きせん【喜撰】

平安初期の歌人。六歌仙の一人。山城の人。古今集に「わが庵(いほ)は都のたつみしかぞ住む世を宇治山と人は言ふなり」の一首がある。歌学書「喜撰式」の著者と伝えられる。生没年未詳。
歌舞伎舞踊清元長唄。松本幸二作詞、清元斎兵衛・10世杵屋六左衛門作曲、2世藤間勘十郎振り付け。五変化「六歌仙容彩(ろっかせんすがたのいろどり)」の一つで、天保2年(1831)江戸中村座で初演された。

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デジタル版 日本人名大辞典+Plusの解説

喜撰 きせん

?-? 平安時代前期の僧,歌人。
「古今和歌集」序で六歌仙のひとりにかぞえられ,1首が収録されている。宇治山(現京都府喜撰山)に隠棲(いんせい)したというが,経歴は不明で,当時から伝説的な人物だったらしい。基泉,窺仙(詮)ともしるされる。
【格言など】わが庵(いほ)は都のたつみしかぞ住む世を宇治山と人はいふなり(「小倉百人一首」)

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朝日日本歴史人物事典の解説

喜撰

生年:生没年不詳
8世紀末から9世紀前半ごろの人か。僧,歌人。六歌仙のひとり。その作として確かなのは,「わが庵はみやこの辰巳しかぞ住む世をうぢ山と人はいふなり」(『古今集』巻18)の1首のみ。歌論書『倭歌作式』(異称『喜撰式』)の作者ともいうが明らかでない。『古今集』仮名序に,「詠める歌,多く聞えねば,かれこれを通はして,良く知らず」とあり,当時でもすでに詳細はわからなかったらしい。宇治山中に隠棲し,のちには仙術により雲に乗って飛び去ったとも伝える。京都府宇治市の東方,喜撰山にその名を残す。<参考文献>高崎正秀『六歌仙前後』(『高崎正秀著作集』4巻)

(内田順子)

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世界大百科事典 第2版の解説

きせん【喜撰】

歌舞伎舞踊。長唄・清元。五変化《六歌仙容彩(ろつかせんすがたのいろどり)》の一曲。春の祇園で,喜撰法師が茶汲女と戯れる洒落気豊かな作品。坊さん姿でリズミカルに踊るちょぼくれや,姉さんかぶり,前垂姿で見せる〈姉さんおんじょかえ〉の悪身(わりみ)など,明るくおどけた味で,お迎え坊主たちの住吉踊もにぎやかでおもしろい。平安朝の歌仙を,天保期の歌舞伎舞踊らしい感覚で奇抜奔放に仕立てているのが特色。文屋(ぶんや)六歌仙【如月 青子】

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大辞林 第三版の解説

きせん【喜撰】

平安前期の歌人。六歌仙の一人。山城国乙訓おとくに郡の人といわれる。出家して醍醐山に入り、のち宇治山に住み仙人となったと伝えられる。確実な作といえる歌は古今集中の一首のみ。喜撰法師。醍醐法師。生没年未詳。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

喜撰
きせん

生没年未詳。平安前期の歌人。六歌仙の一人。基泉、窺仙(詮)、撰喜とも。都のほとりに住んだ隠者風の僧侶(そうりょ)歌人であろうが、『古今集』仮名序に、「よめる歌多く聞えねば、かれこれを通はして、よく知らず」とあるように、当時すでに伝説的人物だったらしい。確認される作品も、「わが庵(いほ)は都の辰巳(たつみ)しかぞ住む世をうぢ山と人はいふなり」(『古今集』雑下)の1首のみ。その歌風は同序に「言葉かすかにして、初め終りたしかならず。いはば秋の月を見るに、暁の雲にあへるがごとし」と評されている。歌学書『倭歌作式(わかさくしき)(喜撰式)』の作者に擬せられているが、同書は彼に仮託した平安中期のものである。[犬養 廉]

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