デジタル大辞泉
「平場」の意味・読み・例文・類語
ひら‐ば【平場】
1 たいらな場所・土地。
2 「平土間」に同じ。
3 普通の場。
㋐競馬などで、特別レースでない一般のレース。
㋑賭け事で、普通に賭けるだけで、割り増しの賭けをしない場。
㋒芸妓などの、客と床を共にしない座敷だけの勤め。
「自然色気ぬきの―ということになり」〈秋声・縮図〉
㋓組織などにおいて、幹部や代表者でなく一般の人々の立場。「平場からの意見を大切にする」
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
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ひら‐ば【平場】
- 〘 名詞 〙
- ① 平坦な土地。平地。ひらち。
- [初出の実例]「平場(ヒラバ)の合戦叶はじとや思けん」(出典:太平記(14C後)八)
- ② 劇場で大衆席をいう。平土間。
- ③ 芸妓などが、床を共にしない座敷だけの勤め。
- [初出の実例]「野心ある客には度々は出せず、自然色気ぬきの平場(ヒラバ)といふことになり」(出典:縮図(1941)〈徳田秋声〉郷愁)
- ④ 競馬で、障害レースに対して、平地で行なわれる一般のレースをいう。また、特別レースに対して、その他の一般のレースをいう。
- [初出の実例]「平場のレースではさほどでもなかったが、障碍入りしてのち芽が出て勝運にのり」(出典:八百長(1966)〈新橋遊吉〉)
- ⑤ 釣り場で、水底に障害物や起伏のない場所。
- [初出の実例]「澪だの平場(ヒラバ)だので釣れない時に」(出典:幻談(1938)〈幸田露伴〉)
- ⑥ 場所を決めないで、路上の雑踏の中ではたらくすりをいう、すり仲間の隠語。
- [初出の実例]「新開地のやうな盛り場へ来る掏摸は、ボタハタキ又は『平場(ヒラバ)』といって」(出典:わが新開地(1922)〈村島帰之〉七)
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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世界大百科事典(旧版)内の平場の言及
【土間】より
…枡の広さは時代により違いがあるが,84年(天明4)の分検帳によれば4尺8寸(約1.45m)×5尺で,7人詰を原則とした。1802年(享和2)秋,中村座改築のおり,下桟敷の前に土間よりも一段高い〈高(たか)土間〉(二重土間)が作られ,これに対して従来の土間を〈平(ひら)土間〉〈平場(ひらば)〉と称し,高土間をより高級席として区別した。土間の料金は1772年(明和9)8月で1間金1分1朱(18匁5分5厘=1200文。…
【幇間】より
…しかし酒席の遊戯的気分をもりあげるためには,本業の音曲芸だけでは不十分で,前記の幇間芸を洗練させ,ものまねや声色などの諸芸に通じた。芸を演じない時間帯(これを平場という)に,世情の新知識をおりまぜながら,複数の客を長時間楽しませる話芸が幇間の腕のみせどころであった。したがって単なる芸人と違い,〈太鼓持あげての末の太鼓持〉のような経歴をもつものがあった。…
※「平場」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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