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平家正節(読み)へいけまぶし

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

平家正節
へいけまぶし

平曲の譜本。「へいけしょうせつ」ともいう。名古屋の荻野知一検校編。安永5 (1776) 年完成。元文2 (37) 年江戸の岡村玄川編の『平家吟譜』 (稿本の一種は「平曲吟譜」ともいう) をはじめ,それ以前の前田流の諸譜本を集成校合したもの。麻岡検校以後,各地の前田流で規範譜として用いられた。

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世界大百科事典 第2版の解説

へいけまぶし【平家正節】

平曲の譜本(楽譜)。正節は〈しょうせつ〉とも読む。江戸時代中期,前田流の荻野検校(名は知一)が編纂した。平曲は江戸時代に入り,晴眼のしろうと平曲愛好家が多くなり,なかでも前田流は全国に広まった。その結果さまざまな譜本が作られ,詞章や墨譜(節まわしを表す記号)が乱れたため,譜本の整理が必要になった。京都で前田,波多野の両流を修めた荻野検校は,名古屋に居を構え,尾張藩の儒学者松平君山や丹羽敬中(仲)など,平曲の素養のある学者や門人たちの協力を得て5年余の歳月をかけ,それまでの平曲譜本を校合,吟味して1776年(安永5)《平家正節》を完成した。

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世界大百科事典内の平家正節の言及

【荻野検校】より

…江戸中期,京都と名古屋で活躍した前田流の平曲家。平曲譜本の決定版ともいうべき《平家正節(まぶし)》の編纂者。広島出身(生年は1737年説あり)。…

【平曲】より

…また江戸時代には晴眼の俳人や茶人のあいだで平曲が静かなブームをよび,こうしたしろうとの愛好家のために声明(しようみよう)や謡(うたい)の記譜法を応用しながらさまざまな平曲譜本が作られた。18世紀後半,名古屋で活躍した前田流の荻野検校は大々的な整譜作業を行い,《平家正節(へいけまぶし)》という優れた譜本を完成し,これが江戸の前田流にとり入れられ,さらに広く全国に普及した。 明治時代になり,新政府が当道を廃止したため,収入の道の途絶えた平曲家たちは鍼灸(しんきゆう)の仕事などに転向することになる。…

※「平家正節」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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