金蔵(読み)カネグラ

デジタル大辞泉 「金蔵」の意味・読み・例文・類語

かね‐ぐら【金蔵/金庫】

金銀・財宝を入れておく蔵。
金銭をもたらしてくれる人。また、金銭上の援助をしてくれる人。「―がついている」
[類語]物置納屋納戸倉庫土蔵穴蔵米蔵穀倉書庫文庫

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精選版 日本国語大辞典 「金蔵」の意味・読み・例文・類語

きん‐ぞう‥ザウ【金蔵】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 金銀、財宝を納めておく蔵。かねぐら。
    1. [初出の実例]「此出銀は邑長諸官精算を遂げ政府の金蔵に納む」(出典:和蘭学制(1869)〈内田正雄訳〉小学条例)
  3. 江戸時代幕府御用金を納めた蔵。御蔵。御金蔵(おかねぐら)
    1. [初出の実例]「勘定吟味役見廻箇所等の達〈略〉蓮池御金蔵」(出典:徳川禁令考‐前集・第二・巻一五・元文元年(1736)四月)
  4. こんぞう(金蔵)

こん‐ぞう‥ザウ【金蔵】

  1. 〘 名詞 〙
  2. こんごう(金剛)[ 一 ]
  3. 仏語。金の倉を衆生仏性にたとえたもの。一切の衆生が本来もっている仏となるべき性質。〔北本涅槃経‐七〕

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改訂新版 世界大百科事典 「金蔵」の意味・わかりやすい解説

金蔵 (かねぐら)

江戸幕府および諸藩における貨幣の貯蔵ならびに出納機関。幕府の金蔵は江戸,大坂,二条,駿府,甲府の各城内と佐渡に所在したが,最も重要なものは江戸の奥金蔵・蓮池金蔵と大坂金蔵であった。奥金蔵は古くは城内天守閣下の穴蔵であったらしいが,明暦大火(1657)に焼失し,その後やはり天守台下にあったと思われ,非常用の除金(よけきん)や金銀分銅などを貯蔵した。蓮池金蔵は1713年(正徳3)切手門外の金蔵を寺沢門内に移したもの。大坂金蔵は大坂城本丸天守台の東南にあった。蓮池および大坂金蔵の収蔵金銀には,経常支出用の定式御遣方と臨時支出用の別口御除金とがあり,さらに大坂には内仕切と称する非常用のものがあった。このような収蔵金銀の性質の違いから,奥金蔵は留守居役が進退し,勝手掛老中および勘定奉行がその封印解印をつかさどり,蓮池と大坂の金蔵は金奉行・大坂金奉行が進退し,勘定奉行裏書の手形によって出納を行う定めであった。
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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「金蔵」の解説

金蔵 きんぞう

1821-? 江戸時代後期の漂流民。
文政4年生まれ。越中富山の長者丸乗組員。天保(てんぽう)9年仙台沖で遭難し,翌年アメリカの捕鯨船に救助されハワイに上陸。その後オホーツク,アラスカをへて14年択捉(えとろふ)島に帰着。江戸におくられ,嘉永(かえい)元年故郷の越中(富山県)放生津新町(ほうじょうづしんまち)にもどった。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「金蔵」の意味・わかりやすい解説

金蔵
きんぞう
Jin-zang

中国,南宋時代,金の皇統9 (1149) 年から大定 13 (73) 年に,天寧寺開雕大蔵経版会が中心となって,山西省において出版した大蔵経

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歌舞伎・浄瑠璃外題よみかた辞典 「金蔵」の解説

金蔵
(通称)
かねぐら

歌舞伎・浄瑠璃の外題。
元の外題
稲荷福女夫金蔵
初演
享保6.11(京・沢村長十郎座)

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世界大百科事典(旧版)内の金蔵の言及

【金奉行】より

…江戸幕府および諸藩において金蔵の出納をつかさどり,その帳簿を計理した役職。幕府の金奉行は1646年(正保3)創設されたというが,1618年(元和4)松風正忠が金奉行に補任され,1613年(慶長18)杉原親俊が金銀出納奉行に任ぜられている。…

※「金蔵」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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