座布団(読み)ザブトン

デジタル大辞泉 「座布団」の意味・読み・例文・類語

ざ‐ぶとん【座布団/座×蒲団】

1 座るときに敷く布団
2 牛の肩ロース肉のうち肋骨寄りの部位ひとつ。霜降りが多い。切り出した形が1に似ることから。

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改訂新版 世界大百科事典 「座布団」の意味・わかりやすい解説

座布団 (ざぶとん)

座るとき下に敷く布団。表地の材料は5枚続きを一組として織られた八端(はつたん)や銘仙縮緬(ちりめん),御召,紬(つむぎ),緞子(どんす)などの絹布や,綿布麻布で,四角または前後にやや長めの形(標準は59cm×63cm)の皮を作り,中に木綿綿(1枚300gを6枚くらい)を入れるのがふつうである。夏用にはイ(藺)やパナマソウを編んだものも使われ,最近用いられているカバー敷きのものは中綿(なかわた)に化繊綿やウレタンフォームなども用いる。夫婦(めおと)座布団は大判の2枚組,茶席用のものは小ぶり,椅子に使う洋式のクッションは半ば装飾的である。

 古代の敷物として,筵(むしろ),畳(薄縁(うすべり)状の)があるが,それを1人分の大きさに縁どりしたのが茵(しとね)である。稲わら,ガマやスゲの葉茎を円形に編んだ円座(えんざ)やわらふだ(わろうだ(藁蓋))も盛んに用いられたことが,鎌倉期の絵巻物によって知られる。綾錦(あやにしき)で包んだ円座や綿入りの敷物もあった江戸時代は,布団というのは円座のことで,後に夜具をも指すようになったと当時の本に書かれてある。木綿綿の座布団の普及は明治以後で,座は一人用敷物を意味し,茵,円座の名称昭和まで使われている。
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日本文化いろは事典 「座布団」の解説

座布団

座布団は現在でも和室での作法の1つとして、古くからの伝統が残っています。現在の住宅で日常的に使われる座布団には、中身とカバーが別物として存在し、和室であれ洋室であれ、部屋の雰囲気に合わせた外観のものが使い分けられています。

出典 シナジーマーティング(株)日本文化いろは事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の座布団の言及

【敷物】より

…すわる風習の場合には,すわりごこちを快適にするのが主目的であるが,椅子式の風習の場合には,室内を美化することと足ざわりを柔らかくするのが目的である。前者には,むしろ,ござ,畳,座布団などがあり,後者には,緞通(だんつう),絨毯(じゆうたん)(カーペット),ラッグやマットなどがある。カーペットは所定の場所に固定して敷きつめるもの,ラッグは暖炉の前などに飾りに敷いたりする小型で任意の場所に随時に用いられるもの,マットはだいたい粗末な材料で作ったもので,浴場の足ふき(バス・マット)や玄関の靴ふきなどに用いられる。…

※「座布団」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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