引下る(読み)ヒキサガル

デジタル大辞泉 「引下る」の意味・読み・例文・類語

ひき‐さが・る【引(き)下(が)る】

[動ラ五(四)]
その場から退く。「早々に―・る」
手を引く。また、自分主張を引っ込める。「そう簡単に―・るわけにはいかない」
おくれる。あとにつく。
一日―・りてぞ向かひける」〈太平記・六〉
[類語]下がる去る遠ざかる遠のく離れる立ち去る引き払う引き上げる辞去する退去する退散するせる退退立ち退く引き取る引っ込むあとにする

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「引下る」の意味・読み・例文・類語

ひき‐さが・る【引下】

  1. 〘 自動詞 ラ行五(四) 〙
  2. その場を去って離れる。また、後へ引いてさがる。後退する。引き退く。さがる。くだる。しさる。
    1. [初出の実例]「かんのきみはすこしひきさがりて」(出典:とりかへばや物語(12C後)下)
  3. 自分の間違い、負けなどを認めて、主張をひっこめる。また、手を引く。
    1. [初出の実例]「何時もなら、〈略〉おれが間違ってたと恐れ入って引きさがるのだけれども」(出典:坊っちゃん(1906)〈夏目漱石〉八)
  4. おくれる。あとにつく。
    1. [初出の実例]「すこしひきさがて、兵五六十騎が程河原へうちいでたり」(出典:平家物語(13C前)一一)

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