引用法(読み)いんようほう

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

引用法
いんようほう

皇帝の権威による裁判規範の確定と法解釈の基準の画一化という時代の要請のもとに,426年,東ローマ皇帝テオドシウス2世と西ローマ皇帝バレンチニアヌス3世が発布した勅法。近代の学者から引用法 lex citationumと呼ばれる。この勅法によって,パピニアヌスパウルスウルピアヌスモデスチヌスおよびガイウスの著書,ならびにこの5名の学者が引用する他の法学者の学説で,多数の写本を比較検討したうえ,真正と決定されたものに対し法的拘束力が与えられ,裁判官はこれに拘束された。万一各個の案件について5名の法学者の意見が不一致の場合は多数決により,賛否同数のときはパピニアヌスの見解を是とし,パピニアヌスの意見が不明のときは裁判官の自由裁量にゆだねると定めた。引用法の制定により,学説法としてのローマ法の発展は完全に停止し,固定化し,形式的衡量と機械的操作による法の運用が裁判を支配するようになった。

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精選版 日本国語大辞典の解説

いんよう‐ほう ‥ハフ【引用法】

〘名〙
① 引用の方法。
② 修辞で引喩法(いんゆほう)の一種。故事、成語などを、出所を明示して引用する表現。
※新文章講話(1909)〈五十嵐力〉二「引用法は顕はに成語或は古事を引いて文章を飾るもの」

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