中国、元(げん)代の仏書。6巻。曹洞宗(そうとうしゅう)の万松行秀(ばんしょうぎょうしゅう)が、宏智正覚(わんししょうがく)(1090―1157)の『宏智頌古(わんしじゅこ)百則』を自在に評釈した公案集。『碧巌録(へきがんろく)』とともに禅門の双璧(そうへき)をなすという。万松の弟子で、元朝の重臣耶律楚材(やりつそざい)(1190―1244)が、7年間に9回にわたって懇請した結果成立したもので、1224年(元太祖19)楚材が西域(せいいき)阿里馬(ありま)城にて序を寄せている。中国曹洞宗の思想を考えるうえで重要な書であるが、現存のものでは、1607年(万暦35)に校勘出版されたものを最古とし、以後の刊本はこの書を底本とする。江戸時代の天桂伝尊(てんけいでんそん)(1648―1735)による注釈が多く存在するが、万松行秀の書の評釈よりも、『宏智頌古百則』を中心とした注釈となっている。『従容録』が本格的に講じられるのは明治以後で、多くの講義本が成立している。
[永井政之]
『高田道見著『従容録講話』全2冊(1905・仏教館)』▽『山田孝道著『従容録講義』全2冊(1917・光融館)』▽『秋野孝道著『従容録講話』全2冊(1922・丙午出版社)』▽『加藤咄堂著『従容録講話』全6冊(1940・平凡社)』
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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