御守殿(読み)ゴシュデン

デジタル大辞泉 「御守殿」の意味・読み・例文・類語

ご‐しゅでん【御守殿】

江戸時代、三位以上の大名に嫁いだ、将軍の娘の敬称。また、その住居
1に仕えた女中御守殿女中

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精選版 日本国語大辞典 「御守殿」の意味・読み・例文・類語

ご‐しゅでん【御守殿】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「ご」は接頭語 )
  2. 江戸時代、将軍の息女で、三位以上の大名に嫁したものを敬っていう語。また、その住居。四位以下の人に嫁したものは御住居(おすまい)という。
  3. ごしゅでんじょちゅう(御守殿女中)」の略。
    1. [初出の実例]「娵(よめ)の生酔御しゅでんをひけらかし」(出典:雑俳・柳多留‐一四(1779))
  4. ごしゅでんふう(御守殿風)」の略。
  5. ( 御守殿女中の気位が高いことから ) 気どった女性をあざけっていう語。
    1. [初出の実例]「アノ先月から出る御しゅでんを見たか、とんだ物だの、アレを買はっしゃい」(出典:洒落本・にゃんの事だ(1781))
  6. ごしょがき(御所柿)」の異称。〔俳諧・手挑灯(1745)〕

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「御守殿」の意味・わかりやすい解説

御守殿
ごしゅでん

江戸時代に将軍の女(むすめ)で、尾張(おわり)・紀伊(きい)・水戸(みと)の御三家(ごさんけ)、田安(たやす)・一橋(ひとつばし)・清水(しみず)の御三卿(きょう)、加賀の前田家に嫁した者、あるいはその住居をさしていう。これに対し、そのほかの大名に嫁した者あるいはその住居をさして御住居(おすまい)といった。ところで、この御守殿・御住居の御用は、すべて若年寄のうちの1人が掛(かかり)となって取り扱った。また、御守殿はもとより大名家などの奥向きに仕える御殿女中の高位の者も、俗に御守殿と称した。

[北原章男]

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山川 日本史小辞典 改訂新版 「御守殿」の解説

御守殿
ごしゅでん

江戸時代,将軍の息女で三位以上の大名に嫁した者。将軍の息女と婚姻を結ぶ場合,大名側がその邸内奥方の住居を建てたことから,そこの主人を御守殿とよぶようになった。また,そこに仕えた奥女中すなわち御守殿女中の略称,およびその髪形などに代表される特異な風俗に対しても用いる。これに対して四位以下の者に嫁した将軍の息女は御住居(おすまい)といった。

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