六訂版 家庭医学大全科 「急性声門下喉頭炎」の解説
急性声門下喉頭炎(仮性クループ)
きゅうせいせいもんかこうとうえん(かせいクループ)
Acute subglottic laryngitis (Pseudocroup)
(のどの病気)
どんな病気か
声帯の下の気道の部分を声門下といいますが、急性声門下喉頭炎では、声門下の粘膜に炎症が起こり、粘膜がはれたり、気道の分泌物が増えたりすることにより気道が狭くなり、呼吸困難を生じます。仮性クループと呼ばれることもあります。とくに1~3歳の小児に多く、やや男児に多い傾向があります。また、秋から冬に多くみられます。
原因は何か
ウイルス(パラインフルエンザウイルス1、2、3型、アデノウイルス、インフルエンザウイルス)や細菌などの声門下粘膜への感染により起こります。
症状の現れ方
発熱、声がれ(
検査と診断
前述の特徴的な症状が診断の大きな手がかりになります。喉頭ファイバースコープ検査で、声門下粘膜の発赤とはれにより、声門下気道が狭くなっている所見が認められれば診断が確定します。
区別すべき疾患に急性喉頭蓋炎(こうとうがいえん)、気道異物がありますが、問診や喉頭ファイバースコープ検査、X線検査などで区別できます。
治療の方法
痰の
病気に気づいたらどうする
重症例では呼吸困難を示し、気道確保が必要になる場合もあるので、耳鼻咽喉科と小児科の両方の診断、治療が必要です。
塩谷 彰浩
出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報