デジタル大辞泉 「怪しからず」の意味・読み・例文・類語
けしから◦ず【▽怪しからず】
1 特に何ということもない。たいしたことがない。
「世の中のかくはかなければ、―◦ぬ
2 はなはだ不都合である。あるまじきことだ。
「何か―◦ず侍らむ。道理なき事にも侍らばこそあらめ」〈落窪・三〉
3 常識を外れている。普通ではない。
「―◦ぬ泰親が今の泣きやうや」〈平家・三〉
4 異様である。あやしげだ。
「
5 並大抵でない。はなはだしい。
「―◦ぬお寒さでございます」〈滑・浮世風呂・二〉
[補説]形容詞「けし」ですでに、普通でない、よくないの意味があり、それを「ず」で否定した形が、かえってもとの意味を強めることになったもの。