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恒星干渉計 こうせいかんしょうけいstellar interferometer

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

恒星干渉計
こうせいかんしょうけい
stellar interferometer

光の干渉を利用して恒星の直径や近接する2個の恒間の角距離を測定する器械。 A.マイケルソンが考案して,ウィルソン山天文台の 100インチ (254cm) 鏡に取付けた最大のものは,0.02″までの視角度をはかることができる。また,強度干渉計と呼ばれるものは,2つの望遠鏡ではかった光の強度の相関をとり,0.001″まで視角度をはかることができる。

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デジタル大辞泉の解説

こうせい‐かんしょうけい〔‐カンセフケイ〕【恒星干渉計】

恒星の視直径や互いに近接する天体角距離を測定する装置。光の干渉の性質を利用する。

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世界大百科事典 第2版の解説

こうせいかんしょうけい【恒星干渉計 stellar interferometer】

光の干渉を利用して微小な星の視直径を測定する器械。天体望遠鏡の空間分解能は地球大気の乱流のため1秒角程度に制限されるので,これよりも小さい恒星などの天体の大きさを直接測定することはできない。恒星干渉計は光の干渉を利用して恒星の大きさを測定する方法で,1868年にフランスのフィゾーA.H.L.Fizeauにより提案された。すなわち天体からの光を適当な間隔に置いた二つの鏡(図のM1およびM4)で受けた後重ね合わせると,光の波動性を証明したヤングの実験と同じ原理で,天体が大きさをもたない点光源であれば図のdに明りょうな干渉縞が観測される。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

恒星干渉計
こうせいかんしょうけい

恒星の視直径(見かけの大きさ)、二重星の視角距離(見かけの距離を角度で表したもの)などを測定するための装置。1921年マイケルソンとピースFrancis Pease(1881―1938)が初めてウィルソン山天文台でベテルギウス(オリオン座α(アルファ)星)の視直径を測定した。これをマイケルソン式恒星干渉計という。遠方にある点光源から発した光を、ある一定の間隔だけ離した2枚の鏡で受けて焦点で重ねると、干渉縞(じま)が見える。この干渉縞の間隔は、鏡の間隔を大きくすると短くなる。実際に恒星は有限の視直径があるので、鏡の間隔を広げていくと、あるところで干渉縞が消える。このときの鏡の間隔の値から、恒星の視直径を求める。1990年代には地球大気のゆらぎによる位相の乱れを補正する補償光学技術を導入して安定した干渉縞の観測が可能となった。口径の大きな独立した望遠鏡を一つの干渉素子とする光赤外干渉計が稼働するようになり、鏡の間隔を数百メートル程度離した観測も可能になり、角視直径がミリ秒角(mas)を切る観測も行われている。多くの異なった間隔で得られた干渉縞を重ねて恒星の表面模様を求める観測も一般的になった。
 恒星干渉計にはほかにロバート・ハンブリー・ブラウンRobert Hanbury Brown(1916―2002)の考案した天体強度干渉計がある。これは前者と違って光の強度のゆらぎについての干渉を測るものである。得られる干渉縞の明暗のコントラストと鏡の間隔の関係から恒星の視直径を出す。この方式では前者ほど機械的に安定な装置でなくてもよい。また大気のゆらぎによる干渉縞への影響も小さい。そのため長い鏡間隔の観測が可能であり、高角度分解能観測ができる。しかし、この干渉計の短所は、恒星干渉計のように2つのビームからの2次の相関ではなく、光の4次の相関のため感度が低く、雑音の問題で青い星しか観測ができないことである。位相が測定できないので観測目的が限られる。[安藤裕康]

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