フランスの女流作家フランソアーズ・サガンの長編処女小説。1954年刊。同年文学批評賞受賞。
17歳の少女セシルには若くてハンサムなやもめの父がいる。父娘はある夏、南フランスの海辺に美しい別荘を借りて、父の愛人のバーの女の子と3人で夏休みを送る。そこへ、亡き母の友達の、聡明(そうめい)で洗練された女性が現れ、父はひかれる。ある晩カンヌで2人の心は結ばれ、結婚することを取り決める。少女は未来の母に対して複雑な感情を抱くようになり、策略を巡らして、自分の恋人の青年と父の愛人だった女の子を使って、父の結婚の妨害をする。ニュアンスのある簡潔な文章、繊細な心理描写、青春のもつある残酷さ、シニスム、淡い虚無感が作品の魅力になっている。
[朝吹登水子]
『朝吹登水子訳『悲しみよこんにちは』(新潮文庫)』
ユーラシア大陸、北アメリカ大陸北部に広く分布し、日本では北海道にエゾヒグマが生息する。成獣は体長2メートル以上、体重300キロにもなり、日本最大の陸生動物として知られる。雑食性で草や木の実、サケ、シ...