情欲・情慾(読み)じょうよく

精選版 日本国語大辞典 「情欲・情慾」の意味・読み・例文・類語

じょう‐よく ジャウ‥【情欲・情慾】

〘名〙
① 感情の動き。
古今(905‐914)真名序「時質人淳、情欲分、和歌未作」
② 仏語。物事をむさぼり、執着する欲望
※貞享版沙石集(1283)七「此愛心をたち、此の情欲をやめて、真実に解脱の門に入り、自性清浄の躰を見るべし」 〔法苑珠林‐二〕
③ 心に起こる欲望。世俗的、刹那的な欲望。
徒然草(1331頃)一七二「わかき時は血気うちにあまり、心物にうごきて情欲おほし」
小説神髄(1885‐86)〈坪内逍遙〉上「それ人間は情欲(ジャウヨク)の動物なるから」 〔史記‐礼書〕
異性に対する性的な欲望。色情。色欲。
※玉塵抄(1563)二三「凡生ある者は陰陽の夫婦和合のみちあり。さあれば情慾のなさけ婬欲のないことはないと云ことないぞ」 〔論衡‐物勢篇〕

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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