憫然(読み)ビンゼン

デジタル大辞泉 「憫然」の意味・読み・例文・類語

びん‐ぜん【×憫然/×愍然】

[形動][文][ナリ]あわれむべきさま。
「己れにさえ―な姿を描いた」〈漱石
[ト・タル][文][形動タリ]に同じ。
「今の西洋諸国有様を見て―たる野蛮の嘆を為すこともある可し」〈福沢文明論之概略
[類語]惻然そくぜん不便ふびん気の毒可哀相哀れ痛痛しい痛ましい哀れむ思いやる思うおもんぱかいとおしむほだされるいたわしい忍びない見るに忍びない見るに堪えない身につまされる

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精選版 日本国語大辞典 「憫然」の意味・読み・例文・類語

びん‐ぜん【憫然・愍然】

  1. 〘 形容動詞ナリ活用ナリ・タリ 〙 哀れなさま。かわいそうなさま。また、哀れに思うさま。
    1. [初出の実例]「纔遁虎口、雖羊質、魂猶恍惚、心只憫然」(出典:垂髪往来(1253)七月一五日)
    2. 「諸国の有様を見て愍然たる野蛮の歎を為すことも」(出典:文明論之概略(1875)〈福沢諭吉〉一)
    3. [その他の文献]〔白居易‐琵琶行序〕

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普及版 字通 「憫然」の読み・字形・画数・意味

【憫然】びんぜん

閔然。

字通「憫」の項目を見る

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