戦略兵器削減条約(読み)せんりゃくへいきさくげんじょうやく

精選版 日本国語大辞典 「戦略兵器削減条約」の意味・読み・例文・類語

せんりゃくへいきさくげん‐じょうやく‥デウヤク【戦略兵器削減条約】

  1. ( [英語] Strategic Arms Reduction Treaty の訳語 ) =スタート(START)

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百科事典マイペディア 「戦略兵器削減条約」の意味・わかりやすい解説

戦略兵器削減条約【せんりゃくへいきさくげんじょうやく】

strategic arms reduction treaty,略称START(スタート)。1991年7月に米国とソ連は,史上初の戦略核兵器大陸間弾道ミサイル潜水艦発射弾道ミサイルSLBM),空中発射巡航ミサイル,海洋発射巡航ミサイル,戦略爆撃機搭載核爆弾,短距離攻撃ミサイル)削減条約(START I)に調印し,1994年2月発効した。これは3段階に分けて,7年間で両国の戦略核兵器を同水準にまで減らすもの。双方とも上限は戦略核運搬手段1600基・機,核弾頭6000個,弾道ミサイル4900個など。続いて1993年1月,ブッシュ米大統領とエリツィン・ロシア大統領の間で戦略核弾頭の削減を2003年(後に2007年に延期)までに2段階で行うこととするSTART IIが調印された。2002年5月アメリカとロシアは2012年末までに双方の戦略核弾頭を1700〜2200個に削減する戦略攻撃兵器削減条約(モスクワ条約)に調印,2003年6月発効した。これによりSTART IIは有名無実化した。2009年4月,オバマ米大統領は核兵器廃絶をアメリカの「道義的責任」とする演説プラハで行い,ロシアとの新たな削減交渉開始。2010年4月に,プラハで,メドベージェフ・ロシア大統領との間で,7年以内にそれぞれの上限1550発以下とする条約に調印した。なお,2010年5月に米国政府が公表した米国の保有核弾頭数は,2009年9月末現在で,5113発である。→核戦略
→関連項目SS24SLBM戦略兵器制限交渉多弾頭ミサイル

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知恵蔵 「戦略兵器削減条約」の解説

戦略兵器削減条約

戦略核兵器を削減する米ロ(ソ)間の条約。1982年に開始した戦略兵器制限交渉は米のSDI構想などで難航。冷戦終結後の91年7月、ブッシュ・ゴルバチョフ両大統領が、戦略核弾頭の半減など、史上初めて戦略核兵器の削減を定めた第一次戦略兵器削減条約(STARTI)に調印。94年末発効。93年1月、ブッシュ・エリツィン両大統領は、戦略核弾頭をさらに半減、3000〜3500個に制限する第二次戦略兵器削減条約(STARTII)に調印。96年、米上院が、また2000年4月、ロシア議会も難航の末、批准。さらに02年5月、ブッシュ(子)・プーチン両大統領は、戦略攻撃戦力削減条約(モスクワ条約)に調印。この新条約は、両国が保有する5500〜6000の核弾頭を、2012年までに1700〜2200に削減することが柱。03年、米ロとも批准。この条約で有名無実化したSTARTIIをロシア政府は放棄した。

(坂本義和 東京大学名誉教授 / 中村研一 北海道大学教授 / 2007年)

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旺文社世界史事典 三訂版 「戦略兵器削減条約」の解説

戦略兵器削減条約
せんりゃくへいきさくげんじょうやく
Strategic Arms Reduction Talks

戦略兵器制限交渉(SALT)を引き継ぐかたちで米ソ間に結ばれた,戦略兵器の削減をめざして調印された条約
1982年から交渉を開始した第1次条約(START Ⅰ)は91年7月に調印され,相互の抜き打ち査察を認めるなど,実効力のあるものとなった。また,1993年1月に調印された第2次条約(START Ⅱ)は,2003年までに戦略核弾頭の数を3分の1に削り,大陸間弾道ミサイル(ICBM)は全廃するなど,第1次を大幅に上回る内容となった。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「戦略兵器削減条約」の意味・わかりやすい解説

戦略兵器削減条約
せんりゃくへいきさくげんじょうやく

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「戦略兵器削減条約」の意味・わかりやすい解説

戦略兵器削減条約
せんりゃくへいきさくげんじょうやく

戦略兵器削減交渉

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