扁桃油(読み)ヘントウユ(その他表記)almond oil

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「扁桃油」の意味・わかりやすい解説

扁桃油
へんとうゆ
almond oil

バラ科のクヘントウおよびカンヘントウの種子から圧搾法採油される不乾性油。ヘントウ(アーモンド)は地中海沿岸、インド、北アメリカに産する。含油量は35~60%。ヨウ素価90~102。けん化価190~196。主要成分脂肪酸はオレイン酸で、含有量は80%程度である。そのほかリノール酸を15~20%含み、ステアリン酸を5%程度、パルミチン酸を1%含有している。組成オリーブ油に似ているところがあるから、その代用品として用いられる。ただしオリーブ油に比し、リノール酸含有量は大、パルミチン酸含有量は小で、凝固点が低い。薬用、せっけん原料に使用される。

[福住一雄]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「扁桃油」の意味・わかりやすい解説

扁桃油
へんとうゆ
almond oil

アーモンドの種子から得られる芳香を有する淡黄色の脂肪油。アーモンド油ともいわれる。アーモンドに変種が2種あり,ビターアーモンドから得られるものを苦扁桃油,スイートアーモンドから得られるものを甘扁桃油という。いずれも脂肪酸成分は主としてオレイン酸とリノール酸で,少量のミリスチン酸,パルミチン酸を含み,鹸化価 188~197,ヨウ素価 93~105を示す。薬品,化粧品の原料として用いられる。

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